2015 Fiscal Year Annual Research Report
建築用ガラスの安全性検証法の確立のための基礎的研究
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26820234
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮里 直也 日本大学, 理工学部, 准教授 (10513997)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 建築用板ガラス / ワイブル分布 / アスペクト比 |
Outline of Annual Research Achievements |
建築用板ガラスは、非構造部材(仕上材)として扱われ、設計基準強度が設定されていない。このため板ガラスの設計は、四辺支持された板ガラスのみ板厚を決定できる告示式が存在する以外、明確な設計手法が存在していない。また唯一の告示式は、ガラスのアスペクト比(長辺と短辺の長さの比)が考慮されていない等、多くの課題を有する。さらに、ガラス材料はばらつきが大きく、降伏後の歪み硬化がない脆性材料であるなどの特殊性がある。以上を踏まえ、ガラスの破損に関する安全性検証法や設計方法の確率が必要と考えられ、設計用許容応力度のなどの客観的な資料データの整備を目的とし、研究を行った。 本年度は、板ガラスのアスペクト比を検討項目とし、風荷重時のガラスの設計手法の確立を目的とし実験的に検討を行った。実験パラメータは、短辺を540㎜(支持間隔500㎜)で一定とし、長辺の長さをパラメータとして、540㎜(アスペクト比1:1)、790㎜(アスペクト比1:1.5)、1040㎜(アスペクト比1:2)の3種類とし、それぞれ板厚3㎜のガラスを用いて、各100枚ずつ計300枚の破壊実験を行った。 以上より、得られた成果は(1)板ガラスの破壊確率はワイブル分布により良好に評価できる可能性が示唆された。(2)ガラスの耐風設計に通常用いられている破壊確率 (1/1000)を満足するためには、現状の告示で提示されている値は、10~40%の範囲で危険側となる可能性が示唆された。(3)板ガラスの破壊の起点は、破壊荷重が大きいほど、板ガラスの外周近傍に分布し、破壊荷重が小さいほど板ガラスの中央部に分布する傾向が把握された。(4)応力の最大値は、板ガラスの四隅に生じ、その点の最大主応力は引張方向に値が出ることから、起点が生じやすいことを確認した。などが挙げられる。今後、さらに板厚及び境界条件等パラメータを追加しデータのさらなる蓄積を行いたい。
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Research Products
(6 results)