2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of deterioration by beetles on seismic performance of Japanese traditional timber structures
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26820238
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| Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
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Principal Investigator |
大岡 優 都城工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (00612475)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 木構造 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、「劣化判定技術の検討」「材料試験および仕口実験結果を反映させた数値解析」「研究のまとめ」を主に実施した。
「劣化判定技術の検討」については、本研究でこれまで使用してきたピロディン（ピン貫入試験機）とFAKOPP（衝撃波伝搬速度測定機）を用い、シバンムシやキクイムシによって甲虫劣化しているスギ・アカマツ部材に対する実験を行った。甲虫劣化部材においては、甲虫劣化のみの部材と腐朽を併発している部材とに分類して検討を行った。実験の結果、ピロディンによるピン貫入深さとFAKOPPによる衝撃波伝搬速度との間には、劣化度が高い場合（腐朽を併発している場合）にはある程度の相関関係が見られたが、劣化が軽度の場合（甲虫劣化が小規模に発生している場合）にはそれほど高い相関は見られなかった。
「材料試験および仕口実験結果を反映させた数値解析」では、伝統構法で建てられた寺院・古民家・町家などの建物を対象に数値解析（地震応答解析）を行った。その結果、建物との固有周期との関係もあるが、劣化度が高い場合においては、甲虫劣化を考慮することで接合部性能が低下し、建物の耐震性能が低下する結果となった。
甲虫劣化と伝統木造建築物の耐震性能に関するこれまでの研究をまとめた結果、甲虫劣化が比較的軽い段階（甲虫劣化のみで、食害が限定的）の場合は、材料の強度・剛性なども比較的高く、外部からの劣化度判定は困難であるが、建物の耐震性能に与える影響は小さいことが分かった。それに対し、劣化度が高い場合（甲虫劣化の食害部が広範囲（深い）、または腐朽を併発している）においては、材料の強度・剛性とも大きく低下し、このような建物の耐震性能に大きな影響を与えるほどの劣化については、ピン貫入試験や衝撃波伝搬速度測定によって推定可能であることが示された。
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