2015 Fiscal Year Research-status Report
透水・脱水工法を行ったコンクリートの中性化予測モデルに関する基礎的研究
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26820241
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 英輔 広島工業大学, 工学部, 助教 (40583539)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コンクリート / 水セメント比 / 真空脱水処理工法 / 透水性型枠工法 / 促進中性化試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,透水・脱水工法を行ったコンクリートについて,これまでに応募者が提案した改良型透水・脱水モデルを拡張し,その中性化を予測するモデルを構築することである。 研究2年目にあたる当該年度は,初年度に開始した,真空脱水処理工法によるコンクリート供試体から抜き取ったφ50mmコアを用いた促進中性化試験を継続して行った。なお,当初,コンクリートの調合推定を行う予定であった施設が使用できなくなったため,新たにドラフトチャンバーなどの器具を備えた施設を探す必要性が生じたが,適した施設を探すことが難航した。そのため,並行して透水性型枠工法によるコンクリート供試体の促進中性化試験に着手することにした。真空脱水処理工法によるコンクリートの実験結果を精査したところ,促進中性化試験に比べ,圧縮・密度試験(φ50コア供試体)結果においてバラツキが生じていることが分かった。これは,より中性化が起こりやすい状態を想定して,水セメント比55,65,75%というコンクリートを使用したことが原因の一つと考えられた。そこで,透水性型枠工法によるコンクリート供試体については,水セメント比を50,60,70%の3水準とした。供試体は150mm×300mm×高さ1000mmとし,真空脱水処理工法と同様に,供試体から抜き取ったφ50mmコアを用いて促進中性化試験を開始した。 また,真空脱水処理工法によるコンクリート供試体についても,水セメント比を50,60,70%とした再実験に着手した。現在,既に供試体から抜き取ったφ50mmコアを用いて促進中性化試験を行っている。その後,ドラフトチャンバーなどの器具を備えた施設を本学の他学科から借りることができたため,前年度にリストアップしていた,コンクリートの調合推定に必要な化学薬品や器具などの一式を購入し,保管している供試体の分析を順次進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画通り,真空脱水処理工法および透水性型枠工法によるコンクリートの促進中性化試験を実施することができた。 しかし,本学の耐震改修工事の影響で,当該年度に実施する予定であった,コンクリートの調合推定によるセメント水比分析を行うことができなかった。その後,ドラフトチャンバーなどの器具を備えた施設を本学の他学科から借りることができ,また前年度にリストアップしていた化学薬品や器具などの一式を揃えることができたことから,最終年度の前半には,この遅れを取り戻すことができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
真空脱水処理工法および透水性型枠工法によるコンクリートの促進中性化試験結果を取りまとめるとともに,両工法によるコンクリートの調合推定を行うことで,極表層からの詳細なセメント水比分布を明らかにし,より精度の高い中性化予測モデルの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
国内旅費および実験補助に対する学生謝金が不要だったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
真空脱水処理工法によるコンクリートの再実験のためのCO2ボンベ費用に使用する。
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Research Products
(2 results)