2014 Fiscal Year Research-status Report
既存住宅活用型シェア居住における社会的意義と間取りの制約に関する研究
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26820254
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
宮原 真美子 日本女子大学, 家政学部, 助教 (90726754)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シェア居住 / 多世代 / 異世代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、持ち家オーナーが住まいの一部をシェアする事例を対象とし、シェアをするに至った経緯、そこで築かれる人間関係のあり方、運営方法、生活の実態から、間取り面の安全性について考察を進めることにある。空き家活用としてのシェアハウスについては、既にシェアハウスの設計、運営を専門とする業者も多く存在し、一つの形態が出来上がっていると言える。現実問題、これから空き家になりうる潜在的空き家(オーナーが高齢化している、オーナーが時々使うが日常的には人が住まない)の数の問題、また第三者が介入しにくいという観点からも、これら潜在的空き家に着目する必要があると言える。そこで本論では、潜在的空き家の活用の可能性を探るため、初年度は、業者が介在するシェアハウスのうち、持ち家オーナーも一緒に住む事例、仏間を残したままシェアハウス化した事例について、仲介業者及び居住者にヒアリングを行った。また、世田谷区を中心にNPOが若者と高齢者をマッチングするオーナー宅活用型シェア居住=ホームシェア事例についても、新たに60代夫婦の離れを活用した事例と、60代単身女性がご自宅を活用した事例についてもヒアリングを行った。 これらの事例は個別性が高く、一概に形を示すことは難しいが、長年住んできた愛着のある家と、ご自身と、若者のシェアメイトとの距離感をオーナー自身がどのような生活をしたいのかという観点から調整していることが一つの特徴と言える。仏間を残した事例では、親族が戻れる家を残したことでいつでも立ち寄れる場所ができたこと、一方入居者にとっては、ときどきやってくる親戚のような感覚を抱くという人間関係を築いている。 一方、シェア居住のみではなく、短期間自宅を解放するAir BnBについては、webサイトから全体の間取りやオーナーの傾向をつかむべく情報収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、日本におけるホームシェア事例やオーナーも介在するシェアハウスの調査を行っている。また、Air BnBなどwebを中心とした情報収集を行い分析を進める。次年度以降の海外調査については、現地協力者から助言を仰ぎながら2015年度夏以降の本調査に向け、文献調査、情報収集を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、ドイツの多世代居住に関する調査を実施予定である。また、ドイツフライブルクなど大学町を中心としたホームシェアの取り組みについても、その募集方法、運営、管理等について調査を行う。引き続き、日本において、ホームシェアやAir BnBなど住まいの一部をシェアする形態についても実測、インタビュー調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
調査先への事前予備調査を計画していたが、本年度は、メールやwebでの情報収集、文献収集としたため、次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外調査については、本来の計画通り本調査を夏に行う予定である。
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