2015 Fiscal Year Research-status Report
既存住宅活用型シェア居住における社会的意義と間取りの制約に関する研究
Project/Area Number |
26820254
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
宮原 真美子 日本女子大学, 家政学部, 助教 (90726754)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シェア居住 / 多世代 / コミュニティ / コモン空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、住まいを中心とした異世代交流事例として、ドイツ連邦家庭・高齢者・女性・青少年省(Federal Ministry for Family Affairs, Senior Citizens, Women and Youth)による多世代ハウス(以後、MGH)の現地調査を行った。ドイツにおける多世代ハウスは、①住むための多世代ハウスと、②地域インフラとしての多世代ハウスに大別されるが、本研究では、後者の多世代ハウスを対象としている。空間的な特徴としては、既存の法人施設(幼稚園、高齢者施設、NPO等が運営する町のカフェなど)の一端にパブリック・リビング(開かれた集いの場)の設置が条件となっており、交流活動を行う場であるとともに、食卓を囲むことで交流を図るというコンセプトに基づき、カフェを提供している事例も見られた。行動観察調査は、数あるMGHのうち、ベルリン北部に位置するモアビット地区にあるMGH Sと、ザルツギッターという郊外にあるMGH を対象とした。行動観察調査は、開館時間である平日9時から18時に行い、利用者の行動をプロットした。調査日におけるMGH Sの来場者は、214名、平均滞在時間は、44分であったが、既存の母体施設利用者が施設利用時に立ち寄りやすいデザインや、パブリック・リビングルームの大らかな空間構成と、変化に富んだ家具配置、そして食事やカフェを提供するといった機能との相乗効果が、自然な形での多世代のコミュニケーションにつながっていると考えられる。 また、日本におけるシェアハウスにおいても、規模別、また改修事例については元の建物種別ごとにその運営実態のインタビューを行った。また関東にある3シェアハウスにて、行動観察調査を行い、立地条件、居住層、シェアハウスの共有空間とアクセス空間とあり方によって、共有空間の使われ方に違いがあることを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツ連邦家庭・高齢者・女性・青少年省(Federal Ministry for Family Affairs, Senior Citizens, Women and Youth)による多世代ハウスについては、インターネットによる事前調査では、住居としての多世代ハウスを想定していたが、実際調査をしてみる、インフラとしての多世代ハウスであったなど当初予期していた事項との相違はあったが、課題想定をしていたより大きな枠組みで捉えることができたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、ドイツ連邦家庭・高齢者・女性・青少年省(Federal Ministry for Family Affairs, Senior Citizens, Women and Youth)による多世代ハウスのうち子ども施設をベースにした多世代ハウスの調査が中心であったので、今後は、福祉施設をベースとした多世代ハウスにおいても、調査を進める。また、日本におけるシェアハウスについても、元建物種別のバリエーションを増やし、転用の可能性についても考察を進める予定である。
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Causes of Carryover |
初年度の海外調査を予定していたが、今年度、次年度とずれ込んだため、次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度もドイツにて、追加調査を行う予定である。
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Research Products
(3 results)