2015 Fiscal Year Research-status Report
東南アジア諸国におけるまちづくり型都市計画の展開に関する研究
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26820258
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
志摩 憲寿 東洋大学, 国際地域学部, 准教授 (90447433)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | まちづくり / 東南アジア / インドネシア / フィリピン |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目にあたる本年度は、まず、アジア諸国のまちづくりの論点を整理し、書籍「アジア・アフリカの都市コミュニティ」(共編著)として、「手づくりの街」の形成論理をまとめた。また、インドネシア・ジャカルタにおいて、スラムコミュニティのまちづくりに関する国際共著論文としてまとめた、 次に、ジョグジャカルタ市において、まちづくりの実態に関する調査を実施した。調査では、近年の空間計画法の改変に伴い、ジョグジャカルタ市及び周辺自治体(スレマン県、バントゥル県)、また、ジョグジャカルタ特別州において、空間計画の見直しが進められていること、ジョグジャカルタ市においては、歴史的地区(例えば、クラトン地区)における歴史的環境の保全が新たな枠組みのもとで進められていることなどが明らかになった。また、急速に進む都市化の中で、ジョグジャカルタ市と周辺自治体の境界にあたるゴデアン地区において、共同事務局カルタマントゥルの調整のもと、住民と行政との協働による地区計画が策定されたことなども明らかになった。 さらに、フィリピン・セブ市におけるスラムコミュニティ(例えば、ルス地区やロレガ地区)における居住環境改善の現状を把握した。 これらの現地調査を通じて、東南アジア諸国のまちづくりの実態が把握された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インドネシアにおけるテロ、タイにおける政治情勢の不安定化に伴い、まちづくりに関する制度的枠組みの改変が思うように進捗していないため、制度的枠組みの把握が遅れ気味であるが、まちづくりの実態については、その現状を比較的よく把握した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きまちづくりに関する制度的枠組みの把握に努めるとともに、上述のようなテロや政治情勢の不安定化の影響を受けにくい地方都市における事例調査を行うことによって、所与の成果を達成したい。
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Causes of Carryover |
インドネシアにおけるテロやタイにおける政情不安のため、思うように現地調査を実施することができなかった、
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地調査の対象地をジャカルタからジョグジャカルタ、バンコクからチェンマイ、フィリピンからセブに変更することにより、次年度以降に実施してゆく。また、文献調査や今年度の調査から、これらの都市において、本研究の主要な課題であるまちづくりの展開が期待できる。
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Research Products
(5 results)