2014 Fiscal Year Research-status Report
木造廃校舎の利活用にむけた物理要件の整理と施設計画の在り方に関する研究
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26820262
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
石山 真季 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (50636876)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 木造廃校舎 / 廃校活用 / 施設計画 / 公共施設の木造化・木質化 / 木造建築 / 木質建築 / 学校統廃合 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,[1]基礎情報の確認,[2]予備調査(前半)を行った。詳細は次のとおりである。 [1]基礎情報の確認:主に廃校活用や木造校舎に着目して,既往論文,寄稿,報告書など既報の収集と整理を行い,木造廃校舎に関わる過去の研究の実施状況を把握した。また,統計情報の収集と整理を行い,加えて,木造廃校舎の活用事例の視察と運営主体に対する聞き取り調査を行うことで,木造廃校舎を取り巻く統計的,社会的な動向と変遷,現況を概観した。なお,視察と聞き取り調査からは,予備調査において注視すべき点の抽出も試みた。 [2]予備調査(前半):[1]基礎情報の確認の成果を基に,特に注視点に関わる情報の得られる書籍,雑誌,写真集など文献を探し,これらを用いて全国の先進的事例の収集と取り纏めを行った。取り纏めた情報は,図面や写真など建築物の基礎情報を中心として,背景や課題などの状況についてもわかる範囲で対象とした。なお,比較のために,木造以外の構造種別の事例も対象とし,収集した。 以上より,[2]予備調査(後半)において実施を予定している先進的事例の調査にむけて,事例収集と図面等の確認を行うとともに,今後の調査項目の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は[1]基礎情報の確認,[2]予備調査(前半),[2]予備調査(後半)を行う計画であったが,[2]予備調査(後半)の実施がやや遅れている。なお,[2]予備調査(後半)の内容は,[2]予備調査(前半)における事例の収集と調査項目の検討を踏まえた上で,先進的事例を選定し,現地踏査,聞き取り調査を行うというものである。 遅延の理由は,第一に,[1]基礎情報の確認と[2]予備調査(前半)で扱う資料や情報が想定よりも膨大であったため,整理に予定以上の時間を要してしまったことが挙げられる。第二に,[2]予備調査(後半)を行える段階に入った時期が遅延し冬季になってしまったことで,調査対象地は雪深い環境にあることが多くなり,調査が困難な状況に見舞われたことである。調査遂行における安全性や調査にて得られる成果の質や密度を考慮して,平成26年度中の実施を見合わせた。 以上のとおり,現在までの達成度は確かに遅れている。しかし,上記の環境下において平成26年度中に計画どおり遂行していた場合よりも平成27年度に改めて[2]予備調査(後半)を行う方が,調査の質は良くなると予想され,研究全体としてはむしろ良い結果が得られる判断であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,[1]基礎情報の確認,[2]予備調査,[3]本調査,[4]総括の4段階に分けており,[1][2]を平成26年度,[3][4]を平成27年度,平成28年度に実施する計画を立てていた。[2]予備調査(後半)の実施が遅れたことで,平成27年度以降の2年間で実施する内容が増えたことになる。しかし,[3]本調査ではアンケート調査を行う計画であるが,このアンケート調査項目の検討と[2]予備調査(後半)は,関連が深いため,同時並行により進めていくことが可能であり,その方がより効率的と考えられる。 つまり,[2]予備調査(後半),[3]本調査(前半)の調査項目の検討を同時期に実施するという工夫をすることで,平成27年度に[2]予備調査(後半),[3]本調査(前半)を完了させることができ,平成28年度は,当初の計画どおり[3]本調査(中間),[3]本調査(後半)と[4]総括を実施することができると見込んでいる。
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Causes of Carryover |
次年度使用差額が生じた理由は,現在までの達成度が「やや遅れている」ことが理由である。つまり,平成26年度の計画にあった[2]予備調査(後半)が行われていないことによる。[2]予備調査(後半)の内容は,先進的事例の現地踏査,聞き取り調査であり,差額はこれら調査のための旅費である。 他方,[1]基礎情報の確認において,想定よりも収集すべき資料等が膨大であったことにより,図書や資料などの支出額が増となってしまったが,国際学会における研究発表による支出を抑えたため,この件については相殺できている。 そのため,差額はほぼ全額が[2]予備調査(後半)の未実施による残額と捉えることができる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
既述のとおり,次年度使用差額は[2]予備調査(後半)の未実施による残額である。今後の研究の推進方策において,平成27年度に[2]予備調査(後半)を実施する予定であると記述した。当該残額はこの調査に使用することとする。 理由にも記載したが,[2]予備調査(後半)の未実施による残額を除けば,現状では研究経費について不都合は生じていないため,研究全体としてはおおむね計画どおりに執行できていると考えている。
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