2015 Fiscal Year Research-status Report
世界遺産候補「古都ベルガマ」の密集住宅地における「防災ひろば」の配置分析と提案
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26820264
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
狩野 朋子 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 講師 (40552021)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 防災ひろば / 世界遺産 / 密集住宅地 / 保存・防災計画 / Bergama, Turkey / 国際情報交換 / ひろばの提案 / 空間解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、実施計画に基づき、1)ベルガマの研究対象地区における防災計画の課題を明らかにし、さらに2)住民の憩いの空間=「ひろば」が、非常時は緊急避難所=「防災ひろば」として活用できるかに関する調査・分析を行った。 1)防災計画の課題: 市民が憩いの場として利用している一部の「ひろば」を積極的に保存する方針が世界遺産登録の際に提出された保存計画の中にも示されているが、それらの「ひろば」を防災拠点として利用する計画は、存在しないことが判明した。現在、ベルガマ市役所ユネスコ課が中心となって、「防災ひろば」の計画も含めた防災計画ガイドラインを作成中(平成29年にかけて)である。また県が担当しているベルガマに関わる防災計画についても、現時点では開示されていない。その他、例として、密集住宅地内に消火栓は設置されているものの、市民は消火施設を利用ができない状況にある。これらのことから、行政ならびに市民の防災意識の欠如も課題であることが判明した。 2)「ひろば」を「防災ひろば」として活用できるか: 密集住宅地に所在する、市民が日常生活に活用している身近な「ひろば」(ある程度の規模を持つコミュニティの中心となっている「ひろば」)を取り上げ、そのうち避難広場として機能し得る「ひろば」を特定した。その「ひろば」について、周辺環境、地形、「ひろば」へのアクセスの方法、利用のされ方等を確認した。 以上により、「ひろば」の防災性能の解析や配置分析、ならびに「防災ひろば」の提案に向けた検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象地が所在する国の社会情勢が不安定であり、現地の関連地域・機関の訪問が難しく、予定通り現地調査や現地での打ち合わせが遂行できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、情勢を見ながら、研究協力者とともにベルガマに限定して現地調査と現地打ち合わせを実施予定である。関連地域や組織(イスタンブール、イズミール、アンカラ等に所在)での情報収集は、ベルガマ市役所ユネスコ課等の協力を得て、メールや電話を通して行っていく。このように引き続き現地協力者やベルガマ市役所、ベルガマ市役所ユネスコ課等の協力も得て、研究遂行上、必要不可欠な情報のやり取りを行う。同時に、日本の防災計画で提案されている「防災ひろば」や復興計画の中で計画・建設された「防災ひろば」を参照し、ベルガマにおける「防災ひろば」を提案する。
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Causes of Carryover |
研究対象地が所在する国(トルコ)の社会情勢が悪化しており、現地ならびに関連地域への渡航が難しく、予定通り現地調査や現地での打ち合わせができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施できなかった現地調査と現地打ち合わせを、情勢を見ながら、研究協力者とともに実施するための費用として用いる。また日本国内での情報収集、研究成果発表ならびにホームページ制作の経費として用いる。
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