2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study of verified regional facilities functionaly for supporting the elderly
Project/Area Number |
26820266
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒木 宏一 新潟工科大学, 工学部, 准教授 (60514875)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多機能性 / 機能拡張性 / 機能代替可能性 / 日帰り温泉施設 / 図書館施設 / 公民館・コミセン |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度までに実施した、熊本県内・新潟県内における地域施設・高齢者施設に関するアンケート調査から、多機能性、機能拡張性、機能代替可能性の有する施設が、高齢者施設における現状では、その可能性が低く、地域施設(日帰り温泉、図書館、公民館・コミセン)が優位であることが明らかとなった。H29年度では、H28年度、熊本地震により実施を断念していた地域施設の利用者アンケートを実施し、施設利用者の属性や、利用状況、多機能性を把握するための利用目的、利用者にとっての多義的な場所性を把握するための質問項目を用意した。アンケートの実施状況は、熊本県内の日帰り温泉施設3事例、図書館施設3事例、公民館・コミセン3事例、新潟県内の日帰り温泉施設3事例、図書館施設3事例、公民館・コミセン施設4事例について配布を行った。配布数は熊本県・新潟県を合わせ、日帰り温泉施設240件、図書館265件、公民館・コミセン230件、回収数は日帰り温泉施設83件(回収率35%)、図書館151件(回収率56%)、公民館・コミセン133件(回収率58%)であった。この調査によって、施設運営側のアンケートで明らかになった多機能性、機能拡張性、機能代替可能性に関する、利用者アンケートによる具体的な利用実態からみる検証を行い、タイプ毎での多機能性や機能代替可能性を有しやすいか否かの特性の違いや、暮らしの自立度や多様性といった観点からの、高齢者の暮らしへの影響を明らかにし、今後の地域施設の計画に生かすべき諸要素を分析・整理している。これまでの分析結果としては、日帰り温泉施設や公民館・コミセンの地域施設の特性として、利用者の属性や趣向を問わず、日常的利用や長時間滞在、他者との関わりの拠点となり得ているのに対し、図書館施設では、図書に興味をもつ利用者に限定され、日常的な利用や地域の拠点性を有しにくく、関わる他者も広がりを持ちにくいといった傾向が見て取れる。
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