2015 Fiscal Year Research-status Report
ドクターヘリ及びドクターカーの運用効果の可視化と関連施設の適正配置
Project/Area Number |
26820267
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山田 悟史 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (00551524)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ドクターヘリ / ドクターカー / 基地病院 / ランデブーポイント / 救急医療 / 関西広域救急医療連携計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は2014年度にて構築した手法とGISデータを用いて,関西広域救急医療連携計画の枠組みを対象にドクターヘリ・ドクターカーの運用効果の可視化に取り組んだ。具体的には,既往の体制におけるドクターヘリ及びドクターカー運用効果の算出として,救急車のみを用いた場合とドクターヘリ及びドクターカーを連携運用した場合について,本研究が採用している4指標の比較を行った。4指標は,①医師による医療行為開始に要する時間の短縮時間,②短縮時間によって生じる救命率の向上率,③短縮時間が生じたメッシュ内の人口を短縮時間に乗じた値,④救命率向上が生じたメッシュ内の人口を向上率に乗じた値,である。以下に概略を示す。 医師による医療行為開始までに要する時間が短縮されたメッシュは65,914メッシュであり,解析対象メッシュの約90%に短縮時間が生じた。合計である指標①は約1億1177万秒となり,平均は28分26秒となった。短縮時間によって期待される救命率向上率は,救命率が向上したメッシュは64,267となり,僅かであるが減少し全体の約88%において救命率が向上した。合計である指標②は約180.7万%となり平均は28.12%となった。各メッシュの値の分布は短縮時間の分布図と比較して高い効果を示す地域が縮小・分散する傾向にあり,短縮時間が大きくても結果として医療行為開始時間が遅く,本研究の指標において採用したカーラーの救命曲線では期待出来る救命率の向上が小さい地域もあることが視覚的に分かった。 2015年度は上記に加え,短縮時間及び救命率をどの程度の人口に提供可能な状態にしたかという観点から各メッシュの指標①及び指標②と人口の値を乗じた指標が指標③と指標④についても解析した。2016年度はこれらの結果に基地病院・ランデブーポイントの適正配置(数と位置)を加え対外発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り15年度は既往の体制におけるドクターヘリ及びドクターカー運用効果の算出を行うことが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
2016年度以降は,基地病院及びランデブーポイントを追加した場合に期待出来る既往の体制からの運用効果の変化を算出し,適正配置(数と位置)を考察し対外的に発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
解析に際してデータの購入を予定していたが,データの借用により研究の実施が可能になったため。解析に際して手動のデータ作成に対する謝金を予定したが,半自動化することができ謝金を使用しなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
最適配置・適正配置の提示に向けて,ソフト・機器備品の購入,謝金として執行する予定である。
|