2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26820275
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
齋藤 潮美 早稲田大学, 理工学術院, 客員主任研究員 (40708749)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ベトナム / フエ / 王宮 / 漆 / 建築装飾 / 復原計画 / 国際協力 / ユネスコ世界遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヴィエトナム社会主義共和国の中部、トゥアティエンフエ省の省都フエに、ヴィエトナム最後の統一王朝・阮朝(1802-1945)によって造営され、阮朝終焉後に戦禍を被った、阮朝王宮・勤成殿における漆を中心とする塗装設計技術に関する復原的考察を目的とする。 本年度は、前年度までに行った太和殿などの伝統技術の分析成果を踏まえ、フエ遺跡保存センター協力のもと、同センター建築装飾担当のホータィンビン氏、ダンソンカー氏とともに、フエの歴史的建造物群内で遺構の保存修理に従事する熟練漆塗装技能者(以下熟練漆技能者)のグエンヴィエトフン氏、ダンヴァンビン氏へ聞き取り調査を重ね、伝統的な下地の参考工程手板(以下手板)の作成依頼を行った。手板は合計4枚、平成28年1月に完成した。完成した4枚の手板は、研究成果を分かち合うために、2枚は日本に持ち帰り、2枚はフエ遺跡保存センター監理のもと、本研究課題の研究成果の公開と発信を目的としたフエ遺跡保存群内での展示、保存、活用を依頼し、御快諾いただいた。本研究課題の代表者が作成した日本の参考工程手板はフエ遺跡保存センターに寄贈した。 本研究課題の成果発表協議会をフエ遺跡保存センターにおいて、フエ遺跡保存センター協力のもと、平成28年1月20日に開催した。同センター所長フアンタンハイ博士、学芸、事務、国際交流などの担当者に加え、熟練漆技能者にもご参加いただき、日越間の伝統漆工程に関する知識を深め、伝統的建造物の漆修理に関与する実務に関しても意見交換もあり、今後に繋がる内容となった。
|
Research Products
(4 results)