2016 Fiscal Year Research-status Report
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26820279
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
大林 潤 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (40372180)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 建築装飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、修理工事報告書を中心に資料の収集作業をおこない、データベースの作成を開始した。当初の計画通り、資料の対象は奈良県内の国指定重要文化財建造物から開始し、本年度は報告書14冊、物件数18件、画像148点の資料をデータベース化した。 データベースは、データベースソフトfilemaker proを使用し、塗装・彫刻・金具の各項目を設け、それぞれに当てはまる項目をチェックするようにした。これにより、例えば彫刻の項目においては、妻飾のあるもの、手挟のあるものなどを一つずつ確認できるようにした。 資料はまだ修理工事報告書14冊分ではあるが、奈良県内の重要文化財における保存修理工事が昭和30年代後半から40年代前半に特に多く行われている印象を持った。本研究では装飾要素のみとめられる物件のみを対象としているので、装飾要素の無い物件数との比較をすることにより、装飾要素の多い建造物の修理工事がこの時期に特に集中した可能性が見いだせるかもしれない。今後資料の収集作業を通じて検討したい課題である。 また、このほか塗装に関わる研究論文の収集を別途おこなっている。近年特に塗装に用いられた顔料の科学的分析が盛んにおこなわれており、それに関わる論文が多く収集できた。 平成28年度は研究者が育児のため時短勤務であったため、学生アシスタントを採用することができず、データベース入力作業の進捗が遅れている。また宿泊をともなう現地調査がおこなえなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は研究者が育児のため時短勤務としており、勤務時間が短いことにより本研究に対応する時間が当初予定よりも大幅に減少した。そのため、学生アシスタントを採用することができず、データベース入力作業の進捗が遅れている。 また、同じく育児のため、宿泊をともなう現地調査がおこなえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、前年度予定していた奈良県内の資料収集作業を継続しておこなう予定である。本年度は学生アシスタントの採用を予定している。 現地調査は、引き続き宿泊をともなう調査が難しい状況である。近畿圏内の日帰りで調査可能な範囲について重点的に調査したい。
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Causes of Carryover |
学生アシスタントを採用しなかったこと、宿泊をともなう現地調査を行わなかったこと。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学生アシスタントの採用を予定している。 現地調査は、宿泊をともなう調査が難しいため、日帰りで可能な物件を重点的におこなう予定である。
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