2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the architectural decoration for solemnization
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26820279
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
大林 潤 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (40372180)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 建築装飾 / 荘厳化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、前年度に引き続き、修理工事報告書を中心に資料の収集作業をおこない、データベースの作成を継続しておこなった。また本年度は最終年度ということもあり、これまでのデータの見直しをおこない、全体を整理した。本年度収集した資料数は、 、報告書11冊、物件数15件、画像点数は520点である。整理の結果、資料数は報告書38冊、物件数54件、画像点数は1175点となった。上記の資料収集では、学生アシスタントの協力を得た。 結果として、目標としていた奈良県下の修理工事報告書を網羅することはできなかったが、54件の物件のうち、全く装飾要素の無い建物はない。装飾自体に意味はなく、様式として施されているものであるが、伝統建築において、装飾要素は不可欠であることを再確認できた意義は大きい。 また、昨年度建築装飾の主題性についてその意義について追及することが必要であると考え、本年度は、現地調査として、栃木県日光市の日光東照宮の建築群と、千葉県成田市の成田山新勝寺の建築群の調査をおこなった。それぞれの建築について、建築の役割と装飾の主題を確認し、写真撮影および文献等の資料収集をおこなった。例えば、新勝寺光明堂では、外陣木鼻に迦楼羅、麒麟、龍などの霊獣の彫刻を施しており、古くは新勝寺の本堂であった当建築が、霊獣によって荘厳化された空間であったことを伝える。これらの霊獣が建物のどの位置に配されているかを整理り、建物自体の主題がどこにあるのかについて検討した。研究当初の計画では、期間内に10件前後の現地調査をおこなう予定であったが、出産及び育児等の理由により、上記2件のみの調査をおこなった。
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