2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26820285
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 光 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20506258)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 磁性量子セルラオートマトン / 磁気力顕微鏡法 / 磁性マニピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,三次元的に配置された微小磁性ドットによる,三次元磁性量子セルラ・オートマトン(3D-MQCA: three dimensional magnetic quantum cellular automaton)を構築し,論理演算能力を有する事を示した.また,磁気力顕微鏡法(MFM: magnetic force microscopy)を応用した,磁性多層膜から構成される微小磁ドットの各磁性層の磁化状態読み取り手法・制御手法を開発した. 具体的には,3つの磁性ドットからなる3D-MQCAならびに,4つの磁性ドットからなる3D-MQCAを構築し,次に述べる磁気力顕微鏡法による任意の情報の書き込みならびに読み込みを実施した.さらに,空間的に一様な演算用外部磁場を印加することで,ゲートの出力となるドットの磁化状態か変化することを確認した. また,磁性多層膜から構成される磁性ドットに対し,外部磁場を印加した状態でMFM探針を接近させることで,上層の磁性層から順に磁性マニピュレーションを行うことができた.この手法を複数回繰り返す事で,各磁性層に対して任意の磁化状態を書き込む事が可能である.情報の読み取りには,磁性ドット近傍に於いて,磁性ドットの側面に沿って垂直方向に磁性探針を走査した.これにより各磁性層の磁化状態を検出することが可能となった. MQCAを3次元に拡張することにより,入出力として使用できるドットの数が増加する.これにより,従来のMQCAと比較し,より高機能なゲートの構築が可能となる.また,本研究により実現された磁性多層膜からなる磁性ドットに対する情報の書き込み・読み込み手法は,今後多層化が期待される他の磁性デバイスの基礎研究に於いても強力な研究ツールとなる.
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