2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26820291
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北條 元 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (90611369)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 圧電体 / 電界誘起相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、結晶構造的に不連続な二つの結晶相をとることが可能なビスマスペロブスカイト強誘電体薄膜について、両者の生成エネルギーが拮抗した状態を実現し、さらに電界印可による結晶構造相転移を誘起することで、巨大な圧電応答を実現することを目的としている。 本年度は、パルスレーザー堆積法によりSrTiO3(001)基板上にCoの置換量が15%のBi(Fe,Co)O3薄膜を作製し、上述のエネルギー拮抗状態の実現を試みた。厚さが50 nm程度ではBiFeO3由来の菱面体晶(厳密には単斜晶)単相の薄膜が得られるのに対し、200 nm程度の膜さでは薄膜表面にBiCoO3由来の巨大なc/a比を有した正方晶相が偏析することを確認した。膜厚を最適化することで、100 nm程度の厚さの薄膜において、単相の菱面体晶相を有したBi(Fe,Co)O3薄膜を得ることに成功した。この状態は正方晶相が出現する直前であり、両者の生成エネルギーが拮抗した状態と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一つ目の目的である、結晶構造的に不連続な二つの結晶相のエネルギーが拮抗した状態を実現できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた薄膜について、圧電応答顕微鏡を用いて電界誘起相転移の有無を確認する。並行して、LaAlO3基板上に巨大なc/aを有するBi(Fe,Co)O3薄膜を作製し、それらの薄膜についても、エネルギー拮抗状態を実現する。
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