2014 Fiscal Year Research-status Report
酸化物膜の精密微構造デザインを実現する新規水溶液プロセスの提案
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26820293
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
我田 元 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (40633722)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水溶液プロセス / 酸化亜鉛 / 結晶配向 / 透明導電膜 / 微構造制御 / 溶液法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,リアクティブスピンコート装置の設計および作製を進めるとともに,スピンスプレー装置を使用して水溶液中での成膜の検討をおこなった。 リアクティブスピンコート装置に関しては,市販装置ではないため,設計図から作製する必要があり,装置制作会社と設計について話し合いを進めている。装置会社との話し合いの結果,装置内の溶液流れや基板固定角度・場所をある程度フレキシブルに可変する必要があるとわかった。この部分について設計変更を加えたため,結果として装置の完成が遅れてしまっている。現在,設計に関してはほぼ完了しているため,平成27年度は装置制作と成膜を迅速に進める予定である。 上記の事情により,装置作製が遅れたため,従来装置を使用した成膜とその条件検討を行った。特に今年度はシード層の効果について検討した。ガラス基板上にシード層としてゾルゲル法で作製したZnO層を作製し,水溶液法により透明ZnO膜を作製した。シード層なしでは得られたZnO膜は肉眼で不透明の白色であり,SEM画像では数多くのロッド状のZnOが無配向に成長していた。シード層を使用した場合,ZnO膜は透明化(可視光透過率 > 80%)し,SEM画像では基板から垂直にロッドが成長し,ち密に集合している様子が観察された。この結果から,基板上に結晶成長の起点となる核をあらかじめ作製することで,結晶配向が制御可能であるとわかった。しかし,一方でZnOロッドのサイズは減少しており,個々の結晶は大きく成長できないと分かった。この点,シード層の厚さやパターニングなどを検討し,結晶成長を制御する必要があるとわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,リアクティブスピンコート装置の設計・制作を進めたものの,装置細部について設計の修正を加える必要があり,制作が遅れている。今年度はこの部分を迅速に進め,計画を達成する予定である。一方で,従来装置による成膜も進めており,シード層を利用することで結晶配向制御が可能になる等の新たな知見も見出した。この点,引き続き従来法による成膜を進め,微構造デザイン方法を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,リアクティブスピンコート装置の制作を進めるとともに,従来装置を使用した成膜条件の検討を進める予定である。今年度前半までに装置を完成させ,装置を使用してのZnO成膜と微構造制御について検討する。また,装置完成まではスピンスプレー装置を利用して,リアクティブスピンコート装置に適用可能な実験条件(シード層,溶液濃度,pH,溶液フローレート等)について検討を進める。これにより,リアクティブスピンコート装置導入後に,ZnO膜作製とその構造制御を迅速に進めることができると考えられる。
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Causes of Carryover |
当初計画で見込んだ作製予定装置作の完成が遅れており,次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた次年度使用額については,平成27年度請求額と併せて,当初通り装置制作に使用する予定である。すでに装置設計は完了しているため迅速に製作を進め,今年度前期を目途に完成させる。
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Research Products
(2 results)