2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26820307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 和史 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90397729)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミグアーク溶接 / 金属蒸気 / 非軸対称 / 分光計測 / トモグラフィ / 干渉フィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,複雑な溶接プロセスの熱源特性を捉えるための三次元発光分光法を開発している.アークプラズマの発光分光計測には現象を軸対称と仮定しアーベル逆変換を用いる二次元(r,z)計測が頻繁に用いられるが,本研究の計測法は,多方向からの発光情報をML-EM法により断面発光強度分布として再構成していく三次元的(x,y,z)な計測法であり,非軸対称現象にも適用可能である.昨年度はMIGアークの計測を試み,シールドガスとしてのAr,金属蒸気としてFeの挙動を同時に観察するため,二種類の干渉フィルタを用い,各4方向,合計8方向での観察を行った.断面発光強度分布の再構成は一般的に計測方向数が多いほど精度が高い.本年度はAr,Feそれぞれ6方向ずつ,計12方向での計測を可能にし,光学系の見直し,空間分解能の調整などと合わせ,計測装置の改善を行い,MIGアークの非軸対称なプラズマ挙動を捉えることに成功した. また干渉フィルタを用いる分光計測の問題点について調査した.本計測装置のように,プラズマの分光計測の手法としては干渉フィルタとカメラを用いることも少なくない.干渉フィルタによる分光計測では,点分光器を用いた計測と異なり面情報を一度に得ることができるが,連続スペクトルの強度やフィルタの半値幅によっては別の線スペクトル強度も含んだ強度が計測される.そこで,静止TIGアークを対象に干渉フィルタの半値幅や希望波長からの干渉フィルタ中心波長のずれが,計測されるスペクトル強度及びその強度から変換されるプラズマ温度に与える影響を調査した.その結果,半値幅が大きいフィルタを用いると計測されうる温度が低下することを明らかにした.
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Research Products
(10 results)