2015 Fiscal Year Annual Research Report
積極的に導入した変形双晶によるマグネシウム合金の疲労き裂進展抑制の可能性
Project/Area Number |
26820318
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
森田 繁樹 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00314089)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | マグネシウム合金 / 変形双晶 / 集合組織 / 疲労き裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究による主な成果は以下である。結晶粒径が約40μmであるAZ31マグネシウム合金圧延材の応力比R=0.1での疲労き裂進展試験において,圧延方向に平行な圧縮負荷によって疲労き裂前方に予め形成されたc軸引張型(10-12)変形双晶は疲労き裂進展速度を加速することはない。 また,研究期間全体を通じて実施した多結晶マグネシウム合金の疲労き裂進展挙動に及ぼす変形双晶の影響に関する研究によって得られた知見を以下にまとめる。 1.結晶粒径が約40μmであるAZ31マグネシウム合金圧延材において、板厚方向に平行な引張塑性変形によってき裂先端に予め形成されたc軸引張型(10-12)変形双晶は疲労き裂進展速度を抑制する可能性がある。また,き裂進展の抑制の程度は変形双晶の体積分率に依存し、最適な体積分率が存在する。疲労き裂は変形双晶の界面あるいはその近傍を選択的に進展することはない。 2.結晶粒径が約40μmであるAZ31マグネシウム合金圧延材において、圧延方向に平行な圧縮塑性変形によって疲労き裂前方に予め形成されたc軸引張型(10-12)変形双晶は疲労き裂進展速度を加速することはない。また,疲労き裂は変形双晶の界面あるいはその近傍を選択的に進展することはない。 3.疲労き裂進展中に動的に形成されるc軸引張型(10-12)変形双晶は、疲労き裂進展速度を変化させる。結晶粒径が粗大な場合では、集合組織に依存して疲労き裂進展速度を増加あるいは低下させる。一方で、結晶粒径が非常に微細な場合では、疲労き裂進展速度に大きな影響を及ぼさない。
|