2015 Fiscal Year Research-status Report
無機-無機ハイブリッド型電解質を用いた中温作動型燃料電池の開発
Project/Area Number |
26820321
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
城石 英伸 東京工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30413751)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 燃料電池 / 電池材料 / プロトン導電 / 無機固体電解質 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は良好な機械的強度を有するZnO-2P2O5ガラスと優れたプロトン導電能を有するZrO2-1.6P2O5電解質をハイブリッド化する手法を検討してきた.ZnO-2P2O5ガラスと無機塩を焼成, 脱塩することにより作製した多孔性ZnO-2P2O5ガラスペレットに,ZrO-1.6P2O5電解質を充填する方法は有望な手法の一つであり,本研究では,上記方法に使用する無機塩の種類と,特に電解質の作成が容易であったNaClの粒子径依存性について研究を行った.無機塩としてLiClを用いて作成した電解質ペレットは強度が低く,KClを用いた場合は,熱処理の際にZnO-2P2O5ガラスと反応が起こったため,両者とも使用する無機塩としては適さないことが明らかとなった.プロトン導電率は,9.7 μm のNaCl粒子径を用いたときに1.0×10-1 S cm-1 を示し本系において最大となることが明らかとなった.ガス透過係数は,NaCl粒子径が大きい(76 μm)ものを用いた場合は7.9×10-15 ( kmol m m-2 s-1 kPa-1)と大きかったが, 9.7 μm以下のものではほぼ一定値(1.3×10-15 ( kmol m m-2 s-1 kPa-1))となり,NaCl粉末の粒子径を小さくすることでガスバリア性が向上することが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度,新たな複合化の手法として,電解質充填法を開発し,有望であると考え,本年度研究を進めてきたが,予想以上に機械的強度の確保が難しく,薄膜化が難航したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,ハイブリッド電解質で発電しやすい単セルが完成し,発電試験を始めたところである。また,シラン処理によって機械的強度を確保することが可能であることが示唆されるような実験結果が出始めたため,シラン処理についてもう少し検討し,よりよいハイブリッド電解質の作成方法を見いだしていきたいと考えている。
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