2014 Fiscal Year Research-status Report
鋳型内サイクロンによる凝固組織制御を利用した高強度精密ダイカスト法の開発
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26820333
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 直哉 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70507897)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 半凝固鋳造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ダイカストマシンを単なる大量生産手段としてではなく,高圧・高速および強冷却が得られるという特徴を積極的に利用することで,より微細かつ均一な組織が得られる手法の開発を行おうというものである.従来の半凝固ダイカスト法では,通常外部で半凝固スラリーを作製した後ダイカストマシンに投入し,鋳造を行う.一方本研究ではダイカストプロセスにおける高い流速と強冷却を利用し,超微細・均一な組織を有するスラリーをダイカスト成形プロセス中に生成可能な射出条件検討を行う.そして高精度・高強度成形を行うための基礎研究を行い,さらなる高強度が見込める展伸材への展開を目指すものである. 26年度は金型内における溶湯の冷却挙動と,その解析手法確立を目指した.まず,溶湯の冷却挙動についてはAl合金をスリーブに注湯した際の温度変化を測定し,注湯温度と冷却挙動の関連を調べた.その結果,必ずしも注湯温度が低いほどその後の冷却が早くなるとも限らず,初期凝固殻によるエアギャップ生成,およびそれが熱伝達係数に及ぼす影響を適切に考慮することが重要であることが示唆された.続いて鋳造シミュレーションソフトによりサイクロンを想定した形状の湯流れ・伝熱解析を行い,サイクロン部における流動・冷却挙動を検討した.その結果,本手法において最も重要なのはサイクロンの入り口および出口の位置の設定であることがわかった.上記実験結果と合わせると,解析時は材料,注湯温度によって熱伝達係数を適切に設定する必要があることがわかった.また流速によっても伝熱状況は変わってくることが想定される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においてはサイクロン部における溶湯の強撹拌と温度の均一化,そしてその溶湯を製品部にスムーズに射出することができる条件設定が重要である.26年度は解析のための取得および基礎的な解析条件検討を行った.その結果,材料の種類に加え,注湯温度が伝熱条件に大きく影響を及ぼすことがわかった.また鋳型形状設計においても,サイクロンそのものの形状よりも,入り口と出口の位置の設定が重要であることがわかった.最終年度である27年度はこれらの知見をもとに実際に金型を作成し,成形実験を行うものであり,26年度はそのための基礎技術開発がおおむね順調に行われたと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度では,26年度に得られた知見をもとに,より具体的な設計を行い,実際に金型を作成する.金型には組織制御部,強度試験片および精度試験片を設置する.材料を一般的なダイカスト用合金ADC12のほか,高強度アルミニウム合金である2000系や7000系合金についても試験を行うことで,本成形法による高精度化・高強度化の確認を行う.
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