2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26820340
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐伯 大輔 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70633832)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 膜分離 / 逆浸透膜 / 生体模倣 / リポソーム / 脂質二分子膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は下記のに項目について検討した。 I. 支持体上への脂質二分子膜の固定化方法の検討 脂質二分子膜の支持体への固定化による、安定な固定化脂質二分子膜の形成について検討した。平均孔径20nmのポーラスアルミナを支持体として用い、アルミナ表面にシランカップリング反応によりアルキル鎖を導入し、アルミナ上のアルキル鎖とリポソームを構成するリン脂質のアルキル鎖を疎水性相互作用により再自己組織化させることで、脂質二分子膜をアルミナ上に展開した。光褪色後蛍光回復法によりアルミナ上の脂質の物性を評価したところ、平らで連続的な脂質二分子膜が展開されていることが確認できた。得られた膜のNaClに対する透過性を評価したところ、NaClの透過はほとんど見られず、欠陥のない二分子膜が形成されていることが確認できた。 II. 水チャネルの導入による超高透水性の実現 Iで作製した固定化脂質二分子膜に対し、ペプチド系水チャネルであるGramicidin Aを導入し、高透水性の付与を試みた。円二色性分散計により、リポソームへのGramicidin Aの導入、及びチャネル構造の形成が確認できた。Gramicidin Aを添加したリポソームを用いて固定化脂質二分子膜を形成させ、浸透圧駆動型透水試験装置により水分子、NaClに対する透過性を評価したところ、水分子に対しては非常に高い透過性を示し、塩はほとんど透過しないことがわかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
支持体上への脂質二分子膜の固定化、及び水チャネルの導入方法を確立することができ、当初の計画通りの結果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、固定化脂質二分子膜の物理的・化学的強度の向上、及び膜性能・膜構造の評価及び最適化について検討を行う。
|
Causes of Carryover |
平成26年度は主に既存の装置を用いて検討を行い、比較的スムーズに研究が進行したため、次年度に資金を繰り越せる結果となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
支持体上の脂質二分子膜の構造評価に用いるための原子間力顕微鏡のカンチレバー、蛍光脂質など、主に消耗品費に使用予定である。また、成果発表のための旅費や、英文校正などにも使用予定である。
|