2015 Fiscal Year Annual Research Report
制御性に優れた自律型ナノモーターの開発と化学システム設計への応用
Project/Area Number |
26820341
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山本 大吾 同志社大学, 理工学部, 助教 (90631911)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロモーター / 自発運動 / 触媒 / アルコール燃料 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,化学反応のエネルギーを使用して,反応溶液中で自発的に運動を行う触媒型マイクロモーターの研究が盛んに行われている。ここで,既存のほとんどの研究では,燃料として過酸化水素の分解反応を用いているが,過酸化水素の①構造の不安定性,②生体組織への刺激性,③分解反応による気泡生成の三点が広範な応用への妨げとなっている。本研究では,過酸化水素の分解反応の代わりにアルコールやアルデヒドなどの有機燃料の酸化反応を利用することで,新しい触媒型白金マイクロモーターの構築を行った。その結果,従来の燃料には無い以下の特筆すべき性質を有することを見出した。 1)多様な有機燃料に関して広い濃度領域で指向的運動を発現できる。 2)反応生成物として気相・固相が発生しないグリーンなシステムである。 3)従来の燃料とは運動方向が逆である。 これらの性質は,マイクロデバイスの動力源やドラッグデリバリーシステムなど広範な応用を強く期待させるものである。
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