2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26820344
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久保 優 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00633752)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Metal-organic frameworks / 多孔質材料 / 噴霧乾燥 / エアロゾル / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多孔性配位高分子(MOF)のエアロゾル合成プロセスを提案し、操作条件の実験的検討により、連続合成に必要な操作因子を見出すことを目的した研究を行った。本年度の研究成果の概要は以下の通りである。 1.前年度までに開発した二流体ノズル、噴霧コンテナ、加熱部、回収部で構成されたMOFのエアロゾル合成装置を用いて、Cu3(BTC)2 [BTC3-: ベンゼントリカルボキシレート]の分子式で表されるHKUST-1の連続合成を行った。 2.銅前駆体であるCu塩の種類を変えて実験を行った。銅前駆体を銅濃度で溶解させた水溶液は塩のアニオン種によってpHが異なった。pHが低くなる銅前駆体ではエアロゾル合成が可能であったのに対し、pHが高くなる銅前駆体を用いると噴霧前に結晶が析出し、エアロゾル合成が出来ないことがわかった。そこで、二流体ノズル直前で銅前駆体溶液、BTC溶液を混合できるよう装置を改良した。それにより、高pHとなる銅前駆体でもHKUST-1が合成でき、さらにバッチプロセスで合成したものと同等の比表面積やマイクロ孔容積を示した。 3.上記の改良装置を用いてCu塩のアニオン種に対応した酸を添加することで、噴霧用駅のpHを調製して、エアロゾル合成を行った。pHが高いほど、生成物の選択率、細孔特性が良くなることがわかった。
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