2015 Fiscal Year Research-status Report
担持金属間化合物触媒の高性能化とそれに基づく高効率分子変換系の開発
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26820350
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古川 森也 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (10634983)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 金属間化合物 / 高性能触媒 / アミン酸化 / PROX |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画で予定していた3つの反応系のうち(A)「水素中微量COの選択酸化(PROX反応)」および(B)「アミン酸化によるイミン合成」に関しては触媒性能については既に26年度で目標をクリアしている。 27年度は(A),(B)および(C)「尿素分解による水素製造」の3つの系において以下の様な進展があった。 (A)赤外分光法を用いて反応機構に関する詳細な検討を行い、従来提唱されてきたものとは異なるユニークな反応機構で反応が進行することを明らかにした。本研究結果は当該分野において高く評価され、Catalysis Science & Technology誌の裏表紙にも選定された。 (B)の反応の発展として、金属間化合物を用いたニトロ化合物のニトロ基選択的水素化を行い、金属間化合物RhInが本反応に高い触媒活性、選択性を示すことを見出した。本反応は室温1気圧水素化にて進行する点で特徴的であり、これは固体触媒では初の例である。 (C)尿素分解における後段の反応であるアンモニア分解に有効な触媒の探索を行い、Al2O3上に金属RuとLa2O3を含浸担持したバイメタリック触媒を調製することで、従来のRu/Al2O3より高い触媒活性を達成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(A)・(B)いずれの反応系においても当初の予想を超える高い触媒性能を達成し、かつ反応機構に関する検討から高い活性・選択性を発現するメカニズムについても明らかにしている。またいずれの系においても投稿論文は著名な論文誌の表紙に選定されており、国際的な注目度も高い。(B)についてはさらに発展課題にも挑戦し、優れた結果を出している。以上の点から、本研究は当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(C)の尿素分解による水素製造においてはこれまでの結果を踏まえ、Ru/La2O3/Al2O3触媒をベースに触媒性能の評価を行い、RuとLa2O3混合比の最適化等を行い、尿素分解からの水素製造に高い活性を示す触媒の開発につなげる。
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Causes of Carryover |
研究計画(C)の「尿素分解による水素製造」について、当初の計画を達成させるために次年度も引き続いて研究を継続する必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の実施に必要な試薬・ガス等の消耗品(25万円)に加え、学会発表等における旅費(8万円)や論文投稿にかかる英文構成費用(5万円)に使用する予定である(計38万円)。
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Research Products
(5 results)