2015 Fiscal Year Annual Research Report
実海域を航走する船舶の主機負荷変動の最大値推定に関する基礎的研究
Project/Area Number |
26820384
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
北川 泰士 国立研究開発法人 海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (50579852)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 船舶主機の波浪中負荷変動 / 不規則波 / プロペラ推力・トルク / 不規則変動の有義値・最大値予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、まず多方向不規則波中を航走する船舶のプロペラ回転数・推力・トルクの変動を主機応答特性を考慮した上で推定するための数学モデルを定式化してプログラム開発を行った。具体的には、最初に変動量計算のための前提となる定常運動状態を推定するためのプログラム開発を行い、数値計算結果を波浪中模型船試験結果と比較して定量的な一致を確認した。次に変動量計算を検証するため、最初に規則波中の計算結果と模型船試験結果を比較したが、過去の研究で提案されていた波浪中プロペラ周り流場モデルが短波長を対象とした時に計算値に過大評価を与えることがわかった。この点を解決するため、規則波中模型試験結果を基にして修正プロペラ周り流場モデルを提案し規則波中変動量の推定精度を向上させた。そして提案した修正モデルを線形重ね合わせ法を前提に多方向不規則波中に対応できるよう拡張して実際の不規則海象中を対象とした計算を実施し、同海象中の模型試験結果と計算結果のそれぞれから得たパワースペクトル密度を比較して計算精度が良好であることを確認した。 次に、プロペラ回転数・推力およびトルクの不規則波中変動量の有義値および最大値を予測するための手法として、船舶工学で従来から用いられているパワースペクトル密度と周波数から得られるモーメントを用いて統計的に変動量を予測する手法を基にして,これらプロペラ変動の変動有義値および最大値を予測する方法を定式化した。そしてプログラム開発によりこれらを実際に計算してその妥当性を検証した。 最後に、主機応答特性モデル中の主機設計パラメータがこれら統計的変動量に与える影響を感度調査によって検証し、主機が安全に稼働するための主機設計要素について知見を得た。
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