2016 Fiscal Year Annual Research Report
Induction of neurogenesis by manipulating gene expression
Project/Area Number |
26830010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
播磨 有希子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 研究員 (20712946)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経発生 / オプトジェネティクス / 静止状態の神経幹細胞 / 活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経発生は、発達中の胎児脳だけではなく成体脳でも行われているが、その活性は老化とともに低下し、成体脳に存在する神経幹細胞の多くは静止状態にある。海馬に存在する静止状態の神経幹細胞の活性化に成功したら、記憶形成に関わる神経新生を誘導できる可能性が高い。そこで我々は、海馬における静止状態の神経幹細胞を活性化させ、神経新生を誘導することを目的に研究を行った。 具体的には、神経幹細胞の増殖に必要とされる Hes1 とMash1 の発現パターンを静止状態と活性状態の神経幹細胞で観察し、オプトジェネティクス(光遺伝学)の技術を用いて活性状態の遺伝子発現パターンを静止状態の神経幹細胞で再現し、活性化が可能かどうか検証を行った。まずはin vitroの実験として、静止状態に誘導した培養神経幹細胞に、Mash1タンパク質の発現パターンをオプトジェネティクスの手法により再現したが、静止状態の神経幹細胞は活性化されなかった。つまり、静止状態の神経幹細胞の活性化には、Mash1単独の発現誘導では不十分であることが分かった。最終年度では、他のある遺伝子を特定し、その遺伝子とMash1遺伝子を同時にオプトジェネティクスの手法により誘導することにより、静止状態の神経幹細胞の活性化に成功した。現在は、in vitroの実験と同様の光誘導システムを搭載したレンチウイルスを老齢マウスの海馬領域に感染させ、光照射により神経幹細胞の活性化や増殖が起こるか検証を行っている。
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