2014 Fiscal Year Annual Research Report
Foxp2とFoxp2分子種がマウス超音波音声と運動機能を制御する大脳領域の解析
Project/Area Number |
26830030
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田辺 裕子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 研究員 (30568069)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 言語障害 / 超音波音声障害 / 自閉性障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト言語障害の原因遺伝子である転写因子FOXP2の言語障害変異を導入したFoxp2(R552H)ノックイン[Foxp2(R552H)-KI]ホモマウスはヒト言語に対応するマウス超音波音声(USV)障害、運動障害や小脳のプルキンエ細胞樹状突起形成障害を示す。結節性硬化症の原因遺伝子TSC1とTSC2は遺伝的に自閉性障害を引き起こすことで知られている。TSC2-KOヘテロマウスのUSVの変化は複雑であるものの、Foxp2(R552H)-KIホモマウス同様に、仔のUSV数を野生型と比較するとTSC2-KOヘテロにおいて減少が見られる。そこで、共同研究にてUSVを制御する分子機能においてFoxp2とTSC2間で相互関連が認められるかどうかFoxp2(R552H)-KIヘテロマウスとTSC2-KOヘテロマウスを掛け合わせ、生まれた仔のUSVを測定し、USVを構成するsyllableの種類を比較した。その結果、野生型マウスに比べ、TSC2ヘテロ-Foxp2ヘテロ、Foxp2ヘテロ、TSC2ヘテロマウスにおいては、簡単なsyllableから構成されるSimple syllableの割合の方が複雑なsyllableから構成されるMulticomponentに比べ約4-5倍増加していることが確認された。この結果はSimple syllableとMulticomponentの適切な割合がUSVに対して重要である可能性を示唆している。現在、共同研究にてFoxp2のプロモーター制御下にmCherryをつなげた(Bac-Foxp2)-mCherryTgマウスとTSC2-KOマウスを掛け合わせ、mCherryを指標としFoxp2の発現領域を調べるとともにTSC2欠損により変化の見られる大脳領域を解析し、マウスUSV機能を制御する脳領域や神経回路の解析を進めている。
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Research Products
(1 results)