2015 Fiscal Year Annual Research Report
サブプレートニューロンに起きる選択的細胞死の意義とは
Project/Area Number |
26830033
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
平井 志伸 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, 研究員 (00625189)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サブプレートニューロン / 神経発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
サブプレートニューロン(SPn)は、大脳皮質において、最も早期に成熟する神経細胞がであることが知られている。その運命や機能については、未だ未解明な点が多い。げっ歯類では、多くのSPnが生後成長するにしたがって死滅することが知られている。ヒトにおいては、疾患の種類によりSPnの数が増減していることが報告されている (アルツハイマー病患者では減、自閉症や統合失調症患者では増)。マウスを用いて、SPn数の変化が脳機能に及ぼす影響を調べるため、人工的にSPn数を増減させる系の開発を試みた。 まず、SPnに特異的かつ網羅的に発現するマーカーのプロモーターの探索を行った。しかし、本研究期間中に他のグループからの報告により、SPnは遺伝的に非常にヘテロな集団であることが報告され、我々も全てのSPnを網羅するような発現パターンの遺伝子を同定することはできなかった。 そこで、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて、広範囲のSPnに目的の遺伝子を導入する系の確立を試みた。AAVを、胎性期に側脳室に注入すると、注入時に細胞周期離脱を終えている神経細胞に優先的に取り込まれることが分かった。その為、注入時期を限定することで、SPnの早熟性を利用し、特異的に特定の遺伝子を導入させられる系を確立した。現在、この系を用いてSPnにジフテリアトキシン受容体を発現させ、継時的にジフテリアトキシンを投与することで、人工的にSPnを消失させ、大脳皮質の発生や、その後の行動パターンにどのような影響を与えるのかを解析中である。
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Research Products
(1 results)