2014 Fiscal Year Research-status Report
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26830034
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
信澤 純人 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80635318)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胎児性脳腫瘍 / 多層性ロゼット |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系原始神経外胚葉性腫瘍(CNS PNET)の亜型であるependymoblastomaとニューロピルと真性ロゼットに富む胎児性腫瘍(ETANTR)を包括した、多層性ロゼットを有する胎児性腫瘍(ETMR)が新たな腫瘍型として提唱されているが、medulloepitheliomaもETMRの一部をなす可能性が示唆されている。最近、CNS PNETはLIN28A と Olig2 の発現性により3つに分類され、ETMRは予後が最も不良なLIN28A陽性、Olig2陰性の群に属することが示された。更に、原発性脳腫瘍におけるLIN28Aの発現性を検討した大規模な研究では、LIN28AはETMRの特異的なマーカーであると報告された。今回、ETANTR、ependymoblastoma、medulloepitheliomaに加え、多層性ロゼットを含むAT/RTやanaplastic ependymoma、神経外胚葉成分に富むimmature teratomaにおけるLIN28AおよびOlig2の発現性を免疫染色により検討した。結果、LIN28AはETMR、AT/RT、immature teratomaに陽性で、染色分布もほぼ同様であった。多層性ロゼットを含むanaplastic ependymomaには陰性であった。ETMRの多くはOlig2に部分的に陽性であった。多層性ロゼットを含むAT/RTやimmature teratomaとETMRの鑑別はLIN28Aの染色性では困難であるが、多層性ロゼットを含むanaplastic ependymomaとの鑑別には有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象となる症例の病理組織学的検索は、当初の研究計画通り進んでいるが、分子遺伝学的検索の一部が進展していない。
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Strategy for Future Research Activity |
array CGH、cDNA array などを用いた網羅的な分子遺伝学的解析を行い、各腫瘍型に特異的な変化を検索、および染色体19q13.42増幅を伴わない症例における腫瘍発生に関わる分子メカニズムを解析する。
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