2016 Fiscal Year Annual Research Report
FROM THE QUESTION OF HOW GLIAL CELLS WRAP THEIR MEMBRANE WITH AXONS TO THE POSSIBLE SOLUTION OF HOW DEMYELINATING DISORDERS WERE RECOVERED
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26830054
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
宮本 幸 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 薬剤治療研究部, 研究員 (50425708)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オリゴデンドロサイト / ミエリン / 共培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から行ってきた、グリア細胞の発生過程のmRNAマイクロアレイによる網羅的解析により、膜受容体の中に免疫細胞の遊走や接着に深く関わる接着分子受容体が、グリア細胞の発生初期に特異的に発現上昇していることをつきとめた。この受容体は、神経細胞上のリガンドとの相互作用によってグリア細胞の髄鞘形成初期を制御していた(宮本ら、Nat. Commun.7, 13478 (2016))。さらに、この神経細胞上のリガンドは、多発性硬化症の抗体治療薬ナタリツマブの分子標的でもあった。多発性硬化症は血液中の炎症細胞が血管内皮から脳へ浸潤し、脳の髄鞘を破壊し、神経変性を引き起こす炎症性の脱髄疾患で、抗体薬であるナタリツマブは炎症細胞にあるインテグリン受容体をブロックすることで、炎症細胞の脳内への浸潤を抑制している。しかし、ナタリツマブが病態を進行させる(神経変性を促進する)という重篤な副作用があることが知られている。今回、ナタリツマブの分子標的であるインテグリン受容体が、脳の神経細胞にも存在し、それが神経細胞の成熟に重要な役割があることを明らかにした。また、インテグリン受容体の機能発現には脳内にある特異的分子(CD69)の活性化が必須であることが判明した。したがって、ナタリツマブの副作用は、脳内の神経細胞の成熟を阻害することで神経変性を促進すると考えられるが、これは脳内のCD69を活性化することで、この副作用を減弱させることができると期待された(宮本ら、Nat. Commun. 7, 13478 (2016))。
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[Journal Article] Social isolation impairs remyelination in mice through modulation of interleukin-6.2016
Author(s)
Manabu Makinodan, Daisuke Ikawa, Yuki Miyamoto, Junji Yamauchi, Kazuhiko Yamamuro, Yasunori Yamashita, Michihiro Toritsuka, Sohei Kimoto, Kazuki Okumura, Takahira Yamauchi, Shin-ichi Fukami, Hiroki Yoshino, Akio Wanaka, and Toshifumi Kishimoto
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Journal Title
FASEB. J.
Volume: 30
Pages: 4267-4274
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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