2015 Fiscal Year Annual Research Report
代謝から理解する上皮間葉転換の分子機序の解明とがん診断・創薬への応用
Project/Area Number |
26830073
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
入野 康宏 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 特命助教 (10415565)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 上皮間葉転換 / がんの代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんが転移能を獲得することは、がんを悪性化し治癒を妨げている原因である。がんが転移能を獲得するときには、上皮間葉転換(epithelial-mesenchymal transition: EMT)の変化を遂げる必要があり、EMTの分子機序を明らかにすることは、がんを克服するための第一歩である。そこで、本研究では、EMTが起こっている時の代謝プロファイルを調べることで、EMTの分子機序を明らかにすることを目的とした。 本年度は、昨年度開発した動的な代謝を理解するためのフラックス解析のための測定システムをさらに改良した。具体的には、誘導体化試薬としてN-Methyl-N-trimethylsilyltrifluoroacetamide (MS-TFA)を使用していたが、天然同位体の考慮を考えて(データ解析の容易さ)、N-methyl-N[tert-butyldimethylsilyl trifluoroacetamide] + 1%tert-butyldimethylchlorosilane (MTBSTFA+1%TMCS)を誘導体化試薬として採用した。天然同位体の補正はIsoCor software を使用することにした。その結果、同位体レベルされた乳酸や、TCA回路の代謝物、アミノ酸を定量することが可能になった。 EMT誘導時させた細胞に安定同位体ラベル(13C)されたグルコースを添加し、その下流の代謝物に含まれる13Cの割合を調べたが、EMT非誘導時と比較して、それぞれの代謝物の13Cラベルされた割合に変化が見られなかった。13C-グルコースの添加量や添加後の培養時間などのさまざまな条件を再検討する必要性があると考えられる。 このような動的な代謝とその代謝酵素の違いを解析することは、EMTの新規分子機序を明らかにすることになり本研究の重要性は極めて高い。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Diagnostic value of glutamate with 2-hydroxyglutarate in magnetic resonance spectroscopy for IDH1 mutant glioma2016
Author(s)
Hiroaki Nagashima, Kazuhiro Tanaka, Takashi Sasayama, Yasuhiro Irino, Naoko Sato, Yukiko Takeuchi, Katsusuke Kyotani, Akitake Mukasa, Katsu Mizukawa, Junichi Sakata, Yusuke Yamamoto, Kohkichi Hosoda, Tomoo Itoh, Ryohei Sasaki, and Eiji Kohmura
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Journal Title
Neuro-Oncology
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant