2014 Fiscal Year Research-status Report
解糖系亢進に基づく乳癌新規治療法の探索と事前効果予測に関する研究
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26830093
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 章子 東北大学, 大学病院, 助教 (50723912)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳癌 / 解糖系亢進 / PET / サブタイプ / 予後予測 / hexokinaseII / HIF-1α / 3-bromopyruvate |
Outline of Annual Research Achievements |
癌組織の特徴として解糖系亢進があり申請者らは遺伝子解析により解糖系の律速酵素であるHexokinaseII(HKII)の発現と乳癌の増殖能、悪性度が相関し、高発現で予後不良、癌の先進部(腫瘍の辺縁)においてHKII高発現群は極めて予後不良であることを解明した(Cancer Sci. 2013)。一方で近年の乳癌診療において、バイオロジー(サブタイプ分類)は早期乳癌治療、再発乳癌治療において非常に重要であり治療法決定の指標となっている。 そこで、まずHKIIのサブタイプ別発現意義の検討を行った。サブタイプ分類は臨床的には免疫組織化学染色:ER,PgR,HER2,Ki-67の発現レベルにより簡易的に4つのグループLuminalA like、LuminalB like、HER2enrich、TNBCに分類されているが2013年の乳癌初期治療方針作成国際会議であるSt.Gallenコンセンサス会議で若干の定義変更があったため、まず従来の分類との比較検討を行い論文報告した(Breast Cancer. 2014)。 サブタイプ別ではHKII陽性率はTNBC(トリプルネガティブ乳癌)で最も高かった。TNBCは乳癌の約10%を占め、最も再発リスクが高く予後不良といわれる。TNBC 89例の病理学的解析、予後解析を行ったところHKIIが予後予測因子とはならず、サブタイプ別に発現意義が異なることを解明し学会報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫組織学染色による検討は予定通り進行している。一方で動物実験やPET画像とHKIIの免疫染色による検討は現在準備段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
①PETによる検討:申請者の研究室で現在乳癌手術可能症例の切除標本とPEM(乳房専用PET検査装置)画像での乳癌の広がり診断を検討しており学会報告している。平成27年では、切除標本のHKIIの染色性とPEMの相関性、更に術前化学療法の治療効果とPEM、HKIIの染色性の関係を解析し、PETによる治療効果予測可能かを検討。 ②モデルマウスによるHKIIinhibitor(3-bromopyruvate)抗腫瘍効果の検討:モデルマウスを用いてサブタイプ別の乳癌腫瘍を作成しHKII inhibitorが有効かなどについて検討。
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Causes of Carryover |
平成26年度は主に免疫組織化学染色による検討が中心であったため、抗体など消耗品はすでに購入済みの物品を使用したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度前半では、PET解析を予定:PEM(乳房専用PET検査装置)画像と切除標本のHKIIの染色性の関係、更に術前化学療法の治療効果とPEM、HKIIの染色性の関係を解析し、PETによる治療効果予測可能かを検討 平成27年度後半では、モデルマウスによる検討を予定:サブタイプ別腫瘍作成モデルマウスによるHKIIinhibitor(3-bromopyruvate)抗腫瘍効果を検討
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] Hexokinase II: a potent prognostic factor associated with hypoxia-inducible factor-1α possibly through increased glycolytic activity in breast carcinoma.2014
Author(s)
Akiko Sato-Tadano1, Takashi Suzuki2, Takanori Ishida1 , Masakazu Amari4, Kiyoshi Takagi2, Yasuhiro Miki3 , Kentaro Tamaki5, Mika Watanabe6, Hironobu Sasano3,6 and Noriaki Ohuchi
Organizer
NIH-Japan-JSPS Symposium 2014
Place of Presentation
Bethesda Campus, Maryland USA
Year and Date
2014-10-23 – 2014-10-24
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