2014 Fiscal Year Research-status Report
がん酸性環境がもたらすがん細胞の薬剤耐性獲得機序の解明と新規治療薬の開発
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26830108
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 信元 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (10511321)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 酸性環境 / 多発性骨髄腫 / cucurbitacin |
Outline of Annual Research Achievements |
酸性環境は悪性腫瘍に共通して認められ、腫瘍の抗癌剤への耐性を惹起するが、腫瘍酸性環境を標的とする治療法は開発されていない。本研究では、腫瘍酸性環境がもたらす腫瘍細胞や腫瘍前駆細胞のエピジェネティックな遺伝子発現の変化、生存に不可欠なシグナルや代謝および薬剤排出ポンプを含む輸送体の活性化の実態を解析し、酸環境による薬剤耐性と腫瘍幹細胞性の獲得機序を解明する。これらの解析から新規治療標的を同定し、また化合物ライブラリーから腫瘍酸環境での薬剤耐性を克服する治療薬の候補を探索し、酸性環境を標的としうるこれまでになかった新規治療薬を創出することを目的として研究を行っている。 まず、本学薬学部が保有している構造の明らかな化合物ライブラリーを探索し、骨髄腫細胞株 RPMI8226に対して酸環境下において強力な抗腫瘍活性を発揮する化合物を合計14 種抽出した。そのなかでさらにスクリーニングを行い、cucurbitacinBが新規抗骨髄腫薬の候補と考えた。これはウリ科の植物に特に多く含まれる物質であり、現在、詳細な抗骨髄腫作用機序を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備検討の結果に立脚して計画しており、現時点ではおおむね順調に進展している。今後は動物実験を中心に行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
SP 分画に対する傷害活性やコロニーアッセイにて自己複製能に対する影響を調べ腫瘍幹細胞の生存に及ぼす効果も検討し、候補薬の作用機序を検討する。さらに、酸環境下で強い抗腫瘍活性を示す独自に構造変換によって作成したPim 阻害薬や薬学部ライブラリーから抽出した化合物の有用性を、腫瘍動物モデルで検証し、薬剤耐性を克服する副作用の少ない新規薬の創出に繋げる。
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Causes of Carryover |
予備検討がある程度進んでいたことおよび、ごく簡単なスクリーニング実験が大多数を占めていたこと、今年度は予定よりも旅費の削減ができたことなどから、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、得られた化合物の作用機序の検討を主に行う。in vitroではSP分画の詳細な検討や分子生物学的手法を用いた基礎的検討を行う。また、動物実験によりさらなる検証を行う。また、海外での学会発表も予定している。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Cytotoxic efficacy of Pim inhibitors and anti-myeloma agents in combination2015
Author(s)
Shingen Nakamura, Hirokazu Miki, Hirofumi Tenshin, Ryota Amachi, Derek Hanson, Keiichiro Watanabe, Jumpei Teramachi, Asuka Oda, Kimiko Sogabe, Hikaru Fujino, Tomoko Maruhashi, Shiro Fujii ,Kumiko Kagawa, Masahiro Abe
Organizer
日本骨髄腫学会
Place of Presentation
くまもと森都心プラザ(熊本県熊本市)
Year and Date
2015-05-17 – 2015-05-17
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