2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞免疫療法と抑制系免疫チェックポイント阻害剤との併用についての基礎的検討
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26830112
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岡山 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30636535)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癌免疫療法 / PD-1 / NK細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既に臨床応用している細胞免疫療法であるナイーブリッチリンパ球療法や高純度NK細胞療法と、腫瘍局所での免疫抑制環境を解除する抑制系免疫チェックポイント阻害剤である抗CTLA-4抗体薬や抗PD-1抗体薬との併用についての基礎的検討を行うことを目的としている。細胞免疫療法単独では抗腫瘍効果が低い理由として、腫瘍局所での免疫抑制機序が大きく関与しているが、抑制系免疫チェックポイント阻害剤を使用することで、免疫抑制環境を解除するブレークスルーが起こっており、細胞免疫療法と抑制系免疫チェックポイント阻害剤を併用することにより、抗腫瘍効果の増強を目指す治療の開始が臨床上目前に迫っているが、併用に対する方法論や免疫学的考察、安全性などについての基礎的検討は行われていないため、本研究でこれらの点を検討する。 当該年度では、今後細胞免疫治療との併用を行うため、単独にての抗腫瘍効果が強すぎると併用効果の検討が難しいため、担癌マウスモデルにおける、ナイーブリッチリンパ球療法と抗PD-1抗体薬との併用による抗腫瘍効果の検討の前検討として、最適な抗PD-1抗体薬の用量設定を行った。 また、NK細胞上に、PD-1分子の発現を認める報告が多数あるが、再度確認行ったところ、発現にばらつきがあるため、Tim3やLAG3などの他のNK細胞の疲弊マーカーの検討を行っている。当初は、抗PD-1抗体薬との併用は、NK細胞への作用を期待していたが、NK細胞による自然免疫により惹起された後の、獲得免疫誘導の場面にて効果を発揮する可能性があるため、NK細胞の先行投与による併用実験を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、NK細胞にPD-1分子が強く発現していると考えていたが、ばらつきが大きいため、他の分子の解析や、細胞免疫治療との併用方法の再検討を行う必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
NK細胞の疲弊マーカーなどの検討は進んでいるため、それらの検知を元に、今後動物モデル実験などを推進していく予定としている。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通り物品購入などを行ったが、少額の差額が発生したため、次年度へ繰越とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験などにて使用する物品購入に使用する予定である。
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