2014 Fiscal Year Research-status Report
がんとその周辺微小環境の包括的制御を指向した高汎用性光免疫療法の開発
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26830119
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
白須 直人 福岡大学, 医学部, 講師 (70551422)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腫瘍関連抗原をはじめとした種々のマーカーに特異的なビオチン化抗体(BioAb)と、近赤外光感受性物質を結合させたアビジン(AvIR)とを用いた、腫瘍細胞とその周辺微小環境とを併せて標的とする汎用性の高い光免疫療法(PIT)の開発である。本年度は、in vitro における検討によって AvIR を用いた PIT の抗腫瘍効果について検討を行った。CEA あるいは EpCAM を安定発現させたCHO 細胞を抗CEA-BioAb や抗EpCAM-BioAb で標識したのちAvIR を結合させて光照射を行い、細胞生存性を調べた。その結果、きわめて抗原選択的かつ強力な殺細胞効果が確認された。抗CEA-BioAbを用いたPIT はヒト胃癌細胞株MKN-45-lucに対しても高選択的で強い抗腫瘍効果を発揮した。さらに、癌幹細胞マーカーであるCD44に対するBioAbでも効果的にMKN-45-luc細胞を殺傷できることを確認した。また、ヒト乳癌細胞株MCF-7-lucはCD44+/CD24lowの癌幹細胞様集団を含むが、MCF-7-luc細胞に対してビオチン化抗CD44抗体を用いたPITを行うことで腫瘍スフェア形成能を著しく減少させることができた。この結果は、癌幹細胞を標的としたPIT戦略の有効性を示すものであった。他方、癌関連線維芽細胞(CAF)は腫瘍の増殖・転移や再発に関与するが、これを標的としたPITについても検討した。ヒト乳癌組織由来の初代CAFとMCF-7-luc細胞とを軟寒天で隔てて共培養すると、MCF-7-lucのスフェア形成能が亢進する。これに対して、CAFのマーカーであるFAPのBioAbでAvIR-PITを施すと、スフェア形成能がMCF-7-luc単独培養時と同等となったことから、CAFに対するPITは腫瘍制御に有効であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時の計画通り、腫瘍細胞や癌幹細胞、あるいはCAFに対するAvIR-PITの有効性がin vitroで確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、複数抗原を標的としたBioAbの同時使用による相加相乗効果についてさらに検討を行ったうえで、担がんモデルマウスを用いてin vivoにおけるAvIR-PITの抗腫瘍効果について明らかにしていく。
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Research Products
(2 results)