2014 Fiscal Year Research-status Report
WTAP複合体によるオルタナティブスプライシング制御機構の解明
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26830124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀内 恵子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (00456203)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オルタナティブスプライシング / RNA seq |
Outline of Annual Research Achievements |
Wilms's tumor-1 associating protein(WTAP)は、核質および核スペックルに局在しており、Virilizer, KIAA0853, Hakai, BCLAF1, THRAP3, RBM15等のRNA結合タンパク質と複合体を形成し、オルタナティブスプライシングおよび細胞増殖に関与しているが、その機能の詳細については不明な点が多い。WTAPはショウジョウバエの性決定に関わるスプライシング調節因子female lethal 2d (fl(2)d)のホモログであり、fl(2)dはSXLおよびvirilizerと協調してSXL遺伝子自身のオルタナティブスプライシングを調節している。我々は、哺乳類細胞におけるWTAPのターゲットRNAを同定する目的で、WTAPおよびvirilizer をノックダウンした細胞を用いてRNA seqを行った。WTAPのノックダウンにより、約250の遺伝子について5倍以上の発現変動が見られ、GO termでcell cycleに関係するものが最もenrichされており、以前報告したmicroarrayのデータと合致していた。また、オルタナティブスプライシングを同定するために、MapSpliceを用いて解析した。コントロールの細胞で60%以上のエクソンスキップが見られ、かつWTAPのノックダウンによりエクソンスキップが1.5倍以下になるもの、また、コントロールの細胞では40%以下のエクソンスキップであるが、WTAPのノックダウンにより1.5倍以上になるもの、それぞれ、34eventsと14eventsを同定した。今後はターゲットのバリデーションおよび調節メカニズムを解析する予定であり、ショウジョウバエでの性決定のスプライシング調節機構が、哺乳類細胞ではどの細胞機能に関連しているのか検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNAseqを用いて、WTAP複合体によるターゲット候補RNAを同定した。今後はメカニズムの解析と、論文化に向けて検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA seqから得られたデータをもとに、WTAP複合体のスプライシングターゲットのvalidationを行う。また、同定したRNAターゲットについて、RNA-IP、minigene、in vitro splicing assayなどによりスプライシング調節のメカニズムを明らかにする。
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Causes of Carryover |
RNAseqから得られたWTAP複合体のスプライシングターゲットRNAについてのValidationが終わっていないので、その消耗品費に充てるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費に使用する予定である。
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