2015 Fiscal Year Annual Research Report
WTAP複合体によるオルタナティブスプライシング制御機構の解明
Project/Area Number |
26830124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀内 恵子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (00456203)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オルタナティブスプライシング / WTAP / RNAseq |
Outline of Annual Research Achievements |
WTAP複合体が制御する標的RNAの同定する目的で、WTAPおよびWTAP複合体のタンパク質であるVirilizerをノックダウンした細胞を用いて、RNAseq解析を行った。WTAPのノックダウンにより発現の変動した遺伝子はGene Ontologyの細胞周期、細胞増殖にあてはまる遺伝子が最もエンリッチされており、この結果は以前報告したWTAPのノックダウン細胞を用いたマイクロアレイの結果と合致していた。次に、WTAPのノックダウンにより変化するスプライシングイベントを調べるために、スプライシングジャンクションにマップされるトランスクリプトの発現量および、使用されるスプライシングジャンクションをMapSplice softwareを用いて解析した。その結果、WTAPのノックダウンにより見られるexon skippingについて48 event (コントロールの細胞で60%以上のskipおよびWTAPのノックダウンで40%以下、およびその逆の条件、fold change > 1.5)を同定した。オルタナティブスプライシングの見られた遺伝子にはヒストンのメチル化酵素であるSUV420H2およびアセチル化酵素複合体たんぱく質であるMSL1が含まれていた。Validationの結果、WTAPまたはWTAPの複合体のタンパク質であるVirilizerをノックダウンするとSUV420H2のexon3のinclusionが増えることがわかった。同様にMSL1についても、WTAPまたはVirilizerのノックダウンによりexon4のinclusionが増え、結果として、Full lengthのトランスクリプトの量が増えることがわかった。SUV420H2はH4K20me1からH4K20me2、H4K20me3へのメチル化酵素であるが、H4K20meをウェスタンブロットにより調べたところ、H4K20me1がWTAPのノックダウンにより減少することがわかり、WTAPのノックダウンによりSUV420H2のFull lengthの発現量が増えることと合致していた。
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