2014 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集を駆使してレアバリアントの機能をin vivoで解析する
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26830131
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
相田 知海 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (50540481)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CRISPR/Cas / TALEN / 緑内障 / レアバリアント / ノックインマウス / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム解析技術の飛躍的発展により、疾患ゲノム解析から膨大な稀な変異が同定されているが、その大半は機能不明であり、また疾患の発症における因果関係も不明である。本研究ではヒトバリアントのノックインマウスを作製・解析する事で、その機能的意義と疾患発症の因果関係を個体レベルで明らかにする。 モデルとして緑内障で報告されているミスセンス・サイレントレアバリアントを、独自開発したゲノム編集技術を用いてマウスにノックインする。 平成26年度は、従来法をはるかに上回る超高効率ノックインを可能にするCRISPR/Casシステムをベースとした、新たなゲノム編集技術を開発して、論文発表を行った。この技術は極めて容易に、誰でも高効率でゲノム編集を可能にするものであり、広く普及する事が期待される。このようなゲノム編集技術を用いて、予定していた全ての緑内障関連ミスセンス・サイレントレアバリアントノックインマウスを作製した。このうち半数のバリアントのノックインマウス系統について解析を終えた。興味深い事に、あるバリアントのノックインマウスは、ヒト緑内障患者の病態を忠実に再現した。またその分子機構を解析したところ、全く予想外の分子機構により、レアバリアントが緑内障様病態を引き起こす事を発見した。本成果は、ヒトレアバリアントの機能解釈の上で極めて重要であり、広く影響を与えるものである。またノックインマウス作製をベースとした本研究の方法論は、申請者の開発したゲノム編集法と合わせて、今後のゲノム研究の重要な一つになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に予定していた研究計画を完了した。また平成27年度に予定していた研究計画の一部を、平成26年度に前倒しして完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、研究を推進する。
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Remarks |
本成果の一部は、NHKテレビニュース及び各種新聞、ウェブメディアに掲載された。
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