2014 Fiscal Year Research-status Report
新規心房特異的遺伝子の転写メカニズム解析と、心房筋精製方法への応用
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26830133
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
扇野 泰行 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20598916)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心房 / 遺伝子 / 転写調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規心房特異的遺伝子が、時間的・空間的心房特異性を既存の遺伝子と比較し優位性を持つことを確認した。具体的には、マウス、ラットにおいて胎児齢14日目以降から全身における心房特異性を有していることを確認した。一方既存の心房特異的遺伝子である、SarcolipinやMlc-2aについては、それぞれ、胎生初期における骨格筋や食道での異所性発現、心室での非特異的発現を認めた。ヒト組織における心房特異性については、今後剖検検体からmRNAを抽出することで発現の確認を行う予定である。 レポーター遺伝子を予想転写調節領域と結合させることで、予想転写調節領域の心房特異性を有意差を持って示した。具体的にはヒトの当該遺伝子の転写調節領域をgenome informaticsの手法により予想し、この領域をeGFP遺伝子の配列と結合させた。この結合配列をラット新生仔から切除、精製した心房筋・心室筋に導入し、心房筋での有意な発現量上昇を確認した。 また、当該遺伝子のノックアウトマウスの作成に成功し、心房機能を中心に解析中である。具体的には、ノックアウトマウスやコントロールとなるWTマウスについて心臓超音波検査を行っている。 心房特異性の応用として、当該転写調節領域とレポーター遺伝子を結合させた配列をヒトiPS細胞に導入することを試みている。心房特異性の応用として、当該遺伝子のモノクローナル抗体の作成中であり、現在ELISAによる一次スクリーニングを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒトiPS細胞への、心房特異的転写調節領域とレポーター遺伝子の結合配列を導入後のセレクションに失敗しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ヒトiPS細胞への遺伝子導入およびセレクションを行う。
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Causes of Carryover |
本研究のテーマとする遺伝子のコードするタンパク質に対するモノクローナル抗体は現在商業ベースに存在せず、作成する必要があった。このための費用は計100万円以上かかる見通しである。作成の行程毎に費用を計上するため、作成の途上にある2014年度においてはその全てを費用として計上は出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続きモノクローナル抗体の作成を継続する。
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