2015 Fiscal Year Research-status Report
生物情報学的な予測に基づくカタユウレイボヤにおけるペプチド性因子の受容体解明
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26830142
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Research Institution | Suntory Foundation for Life Sciences |
Principal Investigator |
白石 慧 公益財団法人サントリー生命科学財団, その他部局等, 研究員 (50710729)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GPCR / ペプチド / 機械学習 / ホヤ / カタユウレイボヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度構築したペプチド性リガンドとその主なターゲットであるGタンパク共役型受容体(GPCR)の機械学習モデルを用い、新規相互作用の予測を行った。予測の結果、30の新規相互作用が予測された。予測された新規相互作用の中には、これまで活性が報告されているどのペプチド配列とも似ていないペプチド性リガンドも含まれており、これらの活性については今後特に注力して検証を行っていく。 次に、予測されたターゲットGPCRを昨年度構築したGPCR活性化検出のためのGαq融合ベクターへし、順次アッセイを行った。アッセイについては、ホヤGPCRの発現が初期の想定よりも困難なものが多いことが判明したが、ホヤの至適温度などを鑑み、ホスト細胞を昆虫細胞に変更し進めており、計画からの大幅な変更をせずに進めることができた。実際、予測された相互作用のうち1種の新規GPCR-ペプチド性リガンドペアについては既に活性化を検出している。 また、当初の計画では来年度に行う予定であったが、新規相互作用が検出されたことから、GPCR-ペプチド性リガンドの相互作用因子の抽出手法についても解析基盤の構築を行った。実際には、機械学習モデルから学習に用いたGPCRアミノ酸の側鎖の性質とペプチド性リガンドの部分配列の有無の積に学習で用いられた重みを掛け合わせることで、GPCRアミノ酸の側鎖の性質とペプチド性リガンドの組合せを指標にし、相互作用の有無を予測するのにどの程度寄与していたのかの検証を行った。今後、新規相互作用の検証を続け、明らかにした相互作用について順次相互作用因子の抽出を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホヤGPCRの発現が初期の想定よりも困難なものが多いことが判明し、活性の検証が本年度中に完了しなかったが、ホヤの至適温度などを鑑み、ホスト細胞を昆虫細胞に変更し進めており、実際に活性のあるGPCR-ペプチドのペアも検出しており、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予測された新規相互作用の中には、これまで活性が報告されているどのペプチド配列とも似ていないペプチド性リガンドも含まれており、これらの活性が明らかになった場合、機械学習を用いた予測手法の優位性につながるため、これらの活性の検証について今後特に注力して検証を行っていく。 また、本年度構築した特長抽出法を用い、明らかにした相互作用について順次相互作用因子の抽出を行っていくことでGPCR-ペプチド性リガンド間の相互作用ルールについて体系的に明らかにしていく。
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Research Products
(5 results)