2016 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of a new Aurora kinase substrate in chromosome separation
Project/Area Number |
26840007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲見 恵理 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (80710615)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2017-03-31
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Keywords | Aurora / 染色体分配 / 紡錘体 / 分裂期 |
Outline of Annual Research Achievements |
Auroraは細胞分裂において様々な段階で重要な役割をしているkinaseである。申請者は網羅的解析により、Aurora kinaseの新規基質CEP97を見出した。CEP97の発現を抑制したところ、細胞分裂期中期に染色体分配の異常が観察された。そこで、我々はCEP97を解析することにより細胞分裂期における染色体分配制御を明らかにすることを目的とした。 これまでにCEP97には紡錘体制御因子であるNEDD1、動原体制御因子SUGT1が結合することが明らかとなった。染色体が赤道面に正しく整列するためには、紡錘体と動原体が正常に形成される必要があるため、CEP97が紡錘体形成や動原体形成に関わっている可能性が示唆された。そこで、紡錘体形成や動原体形成について調べた結果、CEP97を抑制すると紡錘体形成の異常がおこり、分裂期中期に赤道面に染色体が整列できないことがわかった。 平成28年度には、さらにこの制御について詳細に調べるため、Aurora によるリン酸化部位が紡錘体形成に関わっていると考え、このリン酸化部位同定を試みた。その結果S378がAuroraにリン酸化される部位であることが示唆された。そこで、このセリンをアラニンやグルタミン酸へ置換したmutantを作成し細胞へ発現させ、紡錘体形成への変化を観察した結果、顕著な変化はみとめられなかった。CEP97はAurora以外にも分裂期に重要なkinaseであるCDKやPLK1にリン酸化される可能性があるため、現在そのリン酸化部位に着目し紡錘体形成に重要なリン酸化部位を探索している。また新規Aurora基質は細胞分裂期の後期にセントラルスピンドルやミットボディという構造体にも局在を示すので、今回見出したAurorakinaseリン酸化部位はそちらへの局在や機能などに必要である可能性があり、今後検討していきたいと考えている。
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