2014 Fiscal Year Research-status Report
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26840010
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡邉 和則 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (70602027)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 伸長tRNAMet / tRNA顆粒 / nuclear stress bodies / リアルタイムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、【伸長tRNAMet (eMet)の細胞内での動きをリアルタイムに観察するための手法を開発し、eMetの核内、nSBsへの移行を追跡する】、【eMetの核内、tRNA顆粒への輸送因子を同定する】ことを目的として、研究を進めています。その中で本年度は下記の課題を実施しました。 (1) eMetの観察法の開発 これまでにRNaseHに切断されることで蛍光を発するDNA/RNAハイブリッド (DRhetero)を作成し、RNaseHによる切断でDRheteroの蛍光が上昇することを確認した。しかしながら、蛍光上昇率が低いことも明らかになってきました。 (2) tRNA顆粒因子の同定の試み tRNA顆粒は核内で形成されるnuclear stress bodies (nSBs)と共局在することから、nSBs構成タンパク質による顆粒形成時間とtRNA顆粒形成時間の相関性を検討しました。また、nSBs構成タンパク質をノックダウンしていくことでtRNA顆粒の形成が抑制されるのか検討しました。その結果、幾つかのnSBs構成タンパク質がtRNA顆粒の形成に関与していることが示唆されました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度内にeMetの観察法を確立する予定であったが、蛍光上昇率の低さなど幾つかの問題点が出てきてしまったため、細胞内でのeMetの挙動を観察するにまで至っていない。しかしながら、もう1つの目的であるtRNA顆粒への輸送には、幾つかのnSBsタンパク質が関わっている可能性が高いことを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に行ってきたeMetの観察法の開発で用いてきたDRheteroのRNaseH認識部位や蛍光・消光色素周辺の配列を変更し、蛍光上昇率がこれまで得られた結果よりも高くなるDRheteroを検討します。さらに、DRheteroとeMetをライゲーションしたDRhetero-eMetを用いて、細胞内でのeMetをリアルタイムに観察することを目指します。また、DRheteroを用いた観察法以外に、名古屋大学と共同でモレキュラービーコンを用いた観察法の開発も試み、eMetのリアルタイム観察法の確立を目指します。 平成26年度に得られたノックダウンの結果より、tRNA顆粒の形成にはnSBs構成タンパク質が重要であることが示唆されていることから、RNA免疫沈降法を用いてtRNA顆粒形成因子の同定を行います。また、これまでに報告されているtRNA核内輸送因子をノックダウンしていき、tRNAの核内移行を抑制する因子の同定を行います。
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Causes of Carryover |
eMetの観察法の開発が少し遅れているため、細胞培養試薬の購入額が低くなりました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
eMetの観察を細胞内で行うために平成26年度に持ち越した研究費を細胞培養試薬の購入に当てる予定です。
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Research Products
(3 results)