2016 Fiscal Year Annual Research Report
Structural elucidation of a risk factor for Alzheimer's Disease, sorLA extracellular region
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26840022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北郷 悠 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教 (60507185)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / sorLA / 細胞外蛋白質 / 結晶化 / 電子顕微鏡 / 培養細胞 / Vps10p |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,前年度で確立した系で,sorLA細胞外領域全長(sorLAect)の浮遊培養細胞による発現とその精製を行い,精製標品のネガティブ染色による透過型電子顕微鏡観察を継続して実施した.染色にはモリブデン酸アンモニウムを使用し①蛋白質濃度の最適条件,②サンプルグリッドの種類と作製法,③染色剤の調製法とサンプル染色条件,④電子顕微鏡での測定条件を検討し,sorLAect分子の外形が確認できる2次元画像を取得することに成功した.その原画像からsorLAect単分子と思われる数多くの領域を切り出して平均化処理を行ったが,その計算が収束しなかったことからsorLAectはドメイン同士の位置関係に自由度のある柔軟な構造を取っていることが強く示唆された.以上,当初の大きな目的であったsorLAectのおおよその外形をとらえることに成功したと言え,現在ここまでの結果について論文報告を計画中である. また,同じく前年度見出した,sorLA Vps10pドメインの結晶化能を劇的に向上させる特異抗体93201のFabフラグメント93201Fabについての解析を進めた.まずsorLA Vps10pドメイン+リガンドペプチド+93201Fab複合体での結晶構造解析に成功し,その全体像を明らかにした.その結果,93201がsorLA Vps10pドメイン中で可動性が高いと考えられるC末端の10CCbドメインを固定することで,複合体の結晶化能を向上させていることが明らかとなった.また,この結晶構造中では,リガンドであるsorLAのプロペプチド断片が,sorLA Vps10p単体とプロペプチド断片の複合体構造と比較して180°回転した逆方向で認識されていた.これは,sorLA Vps10pドメインがリガンドのアミノ酸配列そのものではなく,β凝集を形成しやすいという性質を認識しているという以前我々が提唱した認識モデルを裏付ける結果であった.これまでに同様のリガンド認識モードを持つ蛋白質の解析例は報告されておらず,以上の結果について論文を執筆中である.
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