2015 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ由来の生理活性物質による脂肪蓄積制御機構の解明
Project/Area Number |
26840038
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
秋枝 さやか 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助教 (20549076)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マクロファージ / 肥満 / 生理活性物質 / エネルギー代謝調節 / グアニリン / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が作出したマクロファージ特異的グアニリン/GC-Cダブルトランスジェニック(dTg)ラットは高脂肪食を摂取しても肥満を呈さない。本研究では、グアニリン/GC-C発現マクロファージの炎症状態における特性を明らかにするとともに、同マクロファージの産生する肥満制御因子を探索し、グアニリン/GC-C/cGMPシステムの新たな脂肪蓄積制御機構を明らかにすることを目的とした。dTgラットおよび野生型(WT)ラットの脂肪組織からマクロファージを含む間質血管細胞群(SVF)を分離し、M1およびM2マーカーを検討したところ、WTラットでは、高脂肪食摂取によりM1マーカーの増加が認められたが、dTgラットではM1マーカーの増加は認められなかった。また、dTgラットから採取した腹腔内マクロファージでは、脂肪酸に対する走化性が高いことが明らかになった。マクロファージのグアニリンおよびGC-CのmRNA発現は、不飽和脂肪酸により顕著に増加したが、NF-kB阻害剤の添加により濃度依存的に抑制された。また、ゲルシフトアッセイにより不飽和脂肪酸によるグアニリンおよびGC-C の転写調節はNF-kBを介していることを明らかにした。これらの結果から、グアニリン/GC-C発現マクロファージは脂肪酸に特異的な性質を持ち、炎症を阻止する機構が作動することで、慢性炎症や肥満を制御している可能性が示唆された。
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Research Products
(11 results)