• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

iPS細胞誘導における細胞特異的遺伝子による相互排他的な発現制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 26840076
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

引地 貴亮  京都大学, iPS細胞研究所, 研究員 (80392083)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywordsシングルセル / iPS分化誘導 / 細胞特異的転写因子
Outline of Annual Research Achievements

神経幹細胞様細胞(NPC)および肝臓系幹細胞(HPC)のiPS細胞誘導初期にシングルセルを単離し、その遺伝子発現量解析を行った。まずはこれまでの研究によりNPCおよびHPCにおいて中心制御因子として同定されたPax6、Hnf4aをそれぞれの細胞でのキーファクターとして検証を行うことで、遺伝子発現ネットワークマッピングを試みた。それぞれのキーファクターに対して正の相関、負の相関を示す遺伝子が20-40個程度ずつ抽出されたが、そのうち、正の相関を示す因子同士を抽出して互いをつなぐことで、遺伝子ごとのつながりの強さを含めたネットワークマップを描いている。一方興味深いことに、両方の細胞においてキーファクターと負の相関を示す遺伝子群にはNanogやPou5f1といった幹細胞マーカー遺伝子が含まれていた。これはPax6やHnf4aが各細胞において幹細胞マーカーと逆相関を示すという仮説を裏付ける結果であり、このシングルセルを用いた解析法が各細胞における重要因子の探索に有用であることを意味している。
同時に細胞特異的なエピジェネティック状態を規定する因子を同定するため、NPCにおけるヒストンH3K27のアセチル化状態をES細胞およびHPCと比較し、NPC特異的な領域のモチーフ解析を行った。その結果、Active Protein 1(AP1)のターゲットとなるモチーフが多く含まれることを見出した。現在このことをもとにNPCからのiPS細胞分化誘導初期におけるJun-Fos遺伝子の重要性とその発現制御に関連する因子の探索を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

シングルセルを用いた遺伝子発現量解析においては、期待通りの成果が得られてきている。ただし、この結果をもとにした遺伝子発現ネットワークマップはやや煩雑になりすぎる点もあり、やや難航している。エピジェネティクスに関する研究に関しては、細胞の分化に重要となる因子とのかかわりが見えてきており、今後これを発展させるための下地ができつつあると考えている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、シングルセル解析の結果をもとにした遺伝子発現ネットワークのマッピングを試みる。現在マッピングに関しては難航している点もあるが、必要最小限の情報とそれに付随するデータとをうまく切り分ける手法を構築する。
また、モチーフ解析から得られた結果をもとに細胞特異的なエピゲノム解析を進め、転写因子とその相互排他的な関係性を新たに見出し、その結果をフィードバックすることで遺伝子発現ネットワークマップをより意義のある形にまとめていく。

Causes of Carryover

今年度は、培養に必須となる試薬等をラボ内での共通試薬からまかなうことができ、また学会参加等での旅費の支出がなかったため、一部の研究費を次年度へと繰り越すこととなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度の研究成果から、CRISPRライブラリーを用いた中規模のスクリーニングを行うことを計画しており、この分に必要となる実験試薬等に繰り越し分を充てることとする。

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi