2014 Fiscal Year Research-status Report
ゼブラフィッシュを用いた組織形態形成におけるshootin1の機能解析
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26840081
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浦崎 明宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (40550083)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | shootin1 / ゼブラフィッシュ / 組織形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
組織形態形成はこれまで細胞の運命決定や分化の視点から捉えた研究が主流であった。しかしながら、組織形成のための細胞移動過程や細胞移動のための力の発生機構には不明な点が多い。我々のグループでは、培養細胞を用いた実験で、Shootin1が重合・脱重合をしているアクチン繊維と細胞接着分子を連結することにより、神経軸索伸長の駆動力を生み出すことを見出している。しかしながら、shootin1の組織内における機能は不明である。本研究では、組織形態形成におけるshootin1の役割を明らかにすることを目的として、モデル脊椎動物であるゼブラフィッシュを用いて実験を行った。まず、RT-PCRおよびwhole-mount in situ hybridizationによる遺伝子発現解析を行った。shootin1は、脳だけでなく脳以外の細胞でも発現していることが明らかになった。これらの実験により、ゼブラフィッシュの初期胚において、shootin1がいつどこで発現しているのかを明らかにした。次に、モルフォリノオリゴを用いて、shootin1発現阻害胚の表現型の解析を行った。モルフォリノオリゴによるshootin1の発現阻害胚では、脳に異常が観察された。この表現型が確かなものであるかを調べるために、CRISPR/Cas9システムを用いて、shootin1の変異体を作製している。変異体が出来たら、その表現型の詳細な解析を行い、組織形態形成におけるshootin1の役割を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
shootin1の遺伝子発現とshootin1の発現阻害胚の解析を行い、新たな知見を得た。さらに、shootin1のアミノ酸配列をもとに、配列解析を行ったところshootin1のホモログを新たに2つ見つけることができた。変異体が思うように得られなかったため、変異体の作成方法をTALEN法からCRISPR/Cas9システムに変更し、変異体作製を着実に進めている。学内でのラボの引越等もあり、変異体の作製は本来の予定よりも若干遅れたが、想定内であり、当初予想していなかった知見も得られており、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に従って、(1)変異体の表現型、(2)異常表現型の回復実験、(3)細胞特異的shootin1の機能阻害および促進実験を進める。研究の進捗状況を見ながら、手直しを加え、当初の目標の達成を目指して研究を推進する。
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Research Products
(4 results)