2014 Fiscal Year Research-status Report
脊椎動物のヒレ・四肢骨格形態差を生みだす糖鎖修飾と発生メカニズム
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26840084
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
矢野 十織 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10648091)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 発生 / 骨格 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の有対付属肢である胸ビレ・四肢の骨格パターン形成において、胸ビレにのみ特殊な膜内化骨(鰭条骨)が形成される点や(発生学的論点)、胸ビレが四肢に進化する際にこの膜内化骨を消失し軟骨内化骨のみで骨格パターンをつくるようになった点(進化学的論点)を考えると、膜内化骨形成機構の解明は細胞・組織分化、器官形成、形態進化を統合的に理解する上で格好の研究モデルである。 本研究ではゼブラフィッシュ胸ビレにおいて側板中胚葉由来の細胞からどのようにして軟骨内化骨・膜内化骨が生じるのかを明らかにするため、骨分化過程に重要と思われるヘパラン硫酸型糖タンパク質(HSPG)の糖鎖修飾遺伝子であるExt(Exostosin glycosyltransferase)ファミリーに着目し、CRISPR/Cas9システムによる遺伝子ノックアウト法を用いて解析した。Ext遺伝子ファミリーはゼブラフィッシュの場合ext1b、ext1c、ext2、extl3があり、これらノックアウトフィッシュの骨格を観察した。ext2遺伝子変異体は胸ビレ骨格を完全に欠失することが既に報告されているが、本解析では正常に骨格形成がおこっていた。またその他ext遺伝子においてはヒレ全長の短縮として表現型が観察され、こうした骨の長さの短縮はマウスにおいてExt遺伝子をノックアウトした場合にも見られるものであった。また正常個体の胸ビレのなかに遺伝子変異体細胞をモザイクに有する個体を作成すべく、油圧式マニュピレーターを購入し細胞移植実験に取り組み、現在その精度を上げるテクニカルな試行錯誤を行っている。 今後はノックアウトをする際のゲノム編集配列を変えても同じ結果が見られるかを検討する。またノックアウト個体における軟骨・骨の分子発生メカニズムを免疫染色法ならびにin situ hybridization法を用いて解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属機関の研究費使用許可が7月にずれ込んだため、研究スタートが遅れた。また初年度からマウス飼育設備を導入し、マウス使用実験を行う予定だったが、遺伝子組換え実験・動物実験のための申請が年度内に間に合わず研究を開始することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度現在、マウス使用実験を開始できるだけの準備が整ったので、研究計画通りに実験を遂行する。また平成26年度に使用するはずだった研究費の一部は研究開始の遅れを勘案して平成27年度に使えるように繰り越した。平成27年度以降は研究のスピードアップをはかる。
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Causes of Carryover |
研究費使用許可が大学全体として7月にずれ込んだことから、予定された実験の一部を次年度に繰り越した。またマウス使用実験は遺伝子組換え実験・動物実験の申請がずれ込んだことにより今年度行うことができず、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度行う予定だった生化学的解析費用として次年度に繰り越して使用する。またマウスの飼育費用・マウス移設費用・マウス使用実験費用も次年度に繰り越して予定通り使用する。
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Research Products
(2 results)