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2016 Fiscal Year Research-status Report

脊椎動物のヒレ・四肢骨格形態差を生みだす糖鎖修飾と発生メカニズム

Research Project

Project/Area Number 26840084
Research InstitutionJikei University School of Medicine

Principal Investigator

矢野 十織  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10648091)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywordsゼブラフィッシュ / 発生 / 糖鎖 / 鰭 / 進化
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、Exostosin(Ext)遺伝子群による糖鎖修飾と付属肢骨格形成への関与についての解析のうち、昨年度までに得られた成果をさらに精査するために実験を行った。
本研究課題は研究代表者による論文成果(Yano et al, Development (2012))が主軸となっているが、この論文を引用する2報(Masselink et al, Nature (2016), Nakamura et al, Nature (2016))が本年度報告された。そこでExt遺伝子群とこれら最新成果との因果関係を解析した。
まずMasselinkらによって見い出されたI型コラーゲンと鰭条骨領域形成の関連性を検証すべく、ゼブラフィッシュcol1a1抗体を用いた免疫染色を行った。野生型胚およびextl3変異体胚を用いて解析したところ、両者に明瞭な差は見られなかった。また、Nakamuraらによって見い出されたhoxa13a遺伝子と鰭条骨領域形成との関連性を検証すべく、in situ hybridization法による遺伝子発現解析を行った。野生型胚においては既に遺伝子発現が消失する胸ビレ発生後期において、extl3変異体胚ではhoxa13a遺伝子の発現が強く残存していた。Nakamuraらの報告で非常に興味深い点は、hoxa13a遺伝子ノックアウト個体のヒレ形態であり、これはWnt関連遺伝子であるrspo2遺伝子のノックアウト個体と酷似している(Tatsumi et al, FEBS Lett (2014))。そこでrspo2遺伝子の発現をextl3変異体胚で確認したところ、野生型胚に比べてrspo2遺伝子発現領域は狭いもしくは点状に存在するのみであった。したがってHoxやWntなどの形態形成に重要な因子とならんで、ユビキタスな糖鎖修飾酵素の有無が特定の骨組織を形成する可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度終了直前に研究補助事業期間の延長申請を行い、これが受理された。これは初年度の研究開始時期の遅れに一部起因するものではあるものの、研究の進捗状況としては遅れていることを意味している。事実、本研究課題のうち糖鎖に関する生化学検査を未だ遂行できていない。一方で、前年度までの成果をもって研究実施計画は達成できており、また本年度出版された2報の論文を出版直後に即時検証できた点は、研究補助事業として数カ年計画で遂行される科研費の強みを生かせたのではないかと考えている。

Strategy for Future Research Activity

過去の研究成果を引用する形式で遂行される研究活動において、Natureにて報告された2報の研究成果は軽視できない。したがって次年度(最終年度)においても引き続き解析を行う。
また糖鎖構造の生化学検査に関しては、解析に係る費用を残しており、次年度遂行可能である。次年度からは、研究代表者とともに生化学検査を遂行する研究協力者が本研究課題に参画し、また具体的な生化学検査法については学内の基盤研究施設と連携して精度高く研究遂行していく。

Causes of Carryover

本研究課題の特色として、生化学検査(糖鎖解析)がある。生化学検査にかかる費用として計上しているが、本年度末までに変異体の十分な準備が間に合わず、次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度5月より生化学検査を研究代表者とともに解析する研究協力者の参画が決定した。したがって次年度に研究計画書通りの研究遂行が確実に行えることとなり、発生生物学的・分子生物学的解析データと生化学的解析データの統合が最終年度には行えると考えている。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Remarks (2 results)

  • [Remarks] 研究者個人ウェブサイト

    • URL

      http://tohruurhot.webnode.com

  • [Remarks] 所属研究室ウェブサイト(東京慈恵会医科大学解剖学講座(組織・発生)

    • URL

      http://www.okabelab.jp/index.html

URL: 

Published: 2018-01-16  

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