2017 Fiscal Year Annual Research Report
Glycosylation-mediated morphogenesis in appendage development
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26840084
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
矢野 十織 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10648091)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 糖鎖 / 発生 / 鰭 / 組織分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの実施計画で遂行できなかった部分について、本年度は研究期間の延長のもと実施した。 本研究課題では糖鎖修飾酵素(exostosin, ext)がゼブラフィッシュの胸鰭発生に及ぼす影響を明らかにすることで、器官形成機構を理解することを主目的としている。組織における糖鎖の正常分布を生化学的に解析するため、本年度はMALDI-TOFMS法(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization - Time of Flight Mass Spectrometry)によるin situイメージングを行った。ガラススライドに貼り付けた胸鰭原基にレーザーを多点照射しイオン化した糖を検出することによって、組織・器官の部位特異的な糖鎖構造を多数検知した。また胸鰭原基は薄い構造のため、薄切スライドを作製せずにホールマウントで実験できる可能性が本解析のなかで生じたため、本事業終了後は派生課題としてこれを検討する予定である。 また本事業終了直前にあった報告(Lebensohn and Rohatgi, eLIFE (2018年2月))により、糖鎖修飾酵素とrspo2遺伝子との関連性を解析することが目的達成に不可欠であると判断し、蛍光in situ hybridization法によりmRNAの局在を感度高く検出する系を構築した。ここではextによって糖鎖修飾されるヘパラン硫酸鎖のコアタンパク質としてglypican-1b遺伝子、ext酵素遺伝子(ext1b, ext1c, ext2, extl3)、 prrx1a、 rspo2遺伝子の発現分布を解析した。正常胚およびextl3遺伝子変異胚を用いて解析を行ったところ、上記遺伝子発現に違いは生じていなかった。したがってtcf7遺伝子などの下流シグナルの抑制がextl3遺伝子によってなされている可能性が考えられた。
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