2015 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼによるICE1のリン酸化と低温シグナル伝達の調節
Project/Area Number |
26840087
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三浦 謙治 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (00507949)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低温シグナル伝達 / キナーゼ / 植物 / サリチル酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の低温シグナル伝達機構、低温ストレス応答においてICE1(MYC型転写因子)は重要な役割を果たしている。このICE1のリン酸化に関わると考えられる因子としてMAPキナーゼ(MPK4)がICE1相互作用因子として単離され、MPK4がICE1のリン酸化に関わっていることが示唆された。また、mpk4変異体では低温ストレス感受性を示し、低温誘導性遺伝子の発現低下が認められたことから、マイクロアレイを用いて低温時における発現量の比較を行った。申請者が行ったマイクロアレイデータと、公開されているマイクロアレイデータを比較したところ、mpk4変異体における発現変化はmkk2変異体(MAPキナーゼキナーゼ変異体)、ice1変異体と非常に似ており、CBF2過剰発現体とは逆の発現プロファイルを示した。このことから、MKK2-MPK4-ICE1-CBFというシグナル伝達経路による遺伝子発現制御が行われていることが示唆された。また、この発現プロファイルと低温ストレス時、サリチル酸処理の発現プロファイルと比較したところ、MKK2-MPK4-ICE1-CBF経路が低温誘導性遺伝子の調節を行っていることが示唆されたが、低温ストレス時の発現プロファイルよりもサリチル酸処理の発現プロファイルに似ていたことから、低温シグナルとサリチル酸シグナルのクロストークが示唆された。
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